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[日本再生][地域創生] 城ブーム まちを元気に 2025年3月10日 福井丸岡城 回遊促し滞在長く 主要50城、2000万人超訪問

  • honchikojisitenji
  • 3月11日
  • 読了時間: 12分

 

続木 碧(つづき あお)  2025年3月(研究報告№140)

                                                                               

「巻頭の一言」

 歴史ある城を生かして地域を元気にしようという動きが広がっています。訪日客を含めて「城ブーム」が続くなか、2023年度には全国の主要な50城を2000万人が訪れました。福井県坂井市は江戸時代以前から残る丸岡城周辺の魅力を高めることで、観光誘客や商業活性化につなげようとしています。2025年2月22日、日経朝刊、2面記事、(藤井太郎)を参照・引用して記述。


 

[日本再生][地域創生] 城ブーム まちを元気に 福井、丸岡城 回遊促し滞在長く 主要50城、2000万人超訪問。

 

 

「日本再生」「地域創生」城ブーム まちを元気に 福井、丸岡城 回遊促し滞在長く 主要50城を2000万人超が訪問しました。

 

ここでは、日本経済新聞の2025年2月22日、朝刊2面の記事(藤井太郎)を紹介します

 

 

「はじめに」

 全国城郭管理者協議会(注1)に加盟する姫路城や松本城など50城の入場者は、2023年度に2003万人と、新型ウイルス禍で落ち込んだ2020年度の3倍超まで回復しました。過去最多だった2015年度の2178万人に迫っています。

 全国には来場者数が不明な城も多いため、ユーエム・サクシード(東京・渋谷)のアプリ「ニッポン城めぐり」の2024年のデータを活用しました。3000の城・城跡が登録されており、スタンプラリーなどで34万人が利用しています。同アブリを使って城の本丸付近で位置情報を送信した人数をベースにした城ごとの訪問スコアを、都道府県別に集計したところ、国宝の城がある愛知、長野、兵庫が上位に並びました。

 

[福井県・坂井市] 

 福井県の訪問スコア(注2)は40点で全国7位でした。「現存12天守」の一つで、地元では「お天守」と呼ばれて親しまれています。池田禎孝市長は「小ぶりながら全国12城に名を連ねている価値は大きい」と強調しています。2024年の北陸新幹線福井延伸による注目の高まりも生かし、地域活性化の核にしようと力を入れています。

 2021年に策定した「周辺整備基本計画」では、電柱の地中化といった街並み整備や堀の再現を盛り込みました。天守を見るだけの通過型観光から回遊性を高めることで滞在型への転換を目指しています。

 2024年には飲食店や城を望むスポットなどを紹介する城下町マップを市民らと作成しています。回遊の基点となる観光情報センターも3月に開業する予定です。9億円をかけており、仮想現実(VR,注3)で城の歴史や構造を伝えるシアターも整備しました。「丸岡城天守を国宝にする市民の会」の瀬野友信理事長は「観光客の滞在時間が伸びることで飲食・物販などの活性化につながってほしい」と期待しています。

 

[島根県安来市]

  天守などがない城跡も重要な観光資源です。戦国大名の尼子氏が拠点とした月山富田城(島根県安来市)は、江戸時代に廃城となり、長く樹木に覆われていました。安来市は、「山城が注目されていた」こともあり、2014年に保存管理計画を策定しました。樹木を伐採して麓から本丸跡へ至るルートを整備したところ、整備前に年1万人前後だった本丸への来訪者は、1万8000人にまで増えました。

 

[愛知県犬山市]

  愛知県犬山市にある国宝の犬山城には、2024年に、過去最多の65万人が訪れました。城と地域活性化を結びつける役割を担うのが、第三セクターの「犬山まちづくり」です。同社の負担で空き店舗を改装して貸し出しており、飲食や雑貨などの店舗が出店しています。イベントなども盛んに開いており、日比野良太郎社長は「城下町のにぎわいを城の誘客にもつなげたい」と力を込めて言っていました。

 

[この項のまとめ]

 城ブームが地域を沸かしている一方で、渋滞やゴミ問題なども目立ってきました。犬山市は「観光誘客と住民生活の調和」を進めるため、観光協会や商工会議所、まちづくり会社と「SDGs・観光まちづくり会議(注4) 」を定期的に開いてきました。また、2024年11月には観光駐車場の料金を、繁忙期の一部で引き上げるなどの改善策を、模索してきました。

 歴史まちづくりに詳しい阿部貴弘教授は「城下町はコンパクトで歩きやすいといった都市構造上の強みを持つ」と指摘しています。そして、「官民が連携して街並みの整備や回遊性向上などに取り組むことが、強みを生かすことになる」とも話しています。2025年2月22日、日経朝刊、2面記事、(藤井太郎)を参照・引用して記述。

 

[まとめ]

この研究報告の執筆で参照・引用した、日本経済新聞、2025年2月22日の朝刊、2面記事(藤井太郎)には、三つの図表が記載されていました。①「訪問者の多い都道府県(2024年)。」(注)アプリ「ニッボン城めぐり」で、来訪者などを基に算出した上位300城の訪問スコアを都道府県別に集計。②2023年度に入場者が多かった城。(出所)全国城郭管理者協会。➂総入場数は2000万人超え。(注)全国城郭管理者協会に加盟する約50城の合計。

 

 

[図表1]

図表1(注5)は、2025年2月22日の日経新聞紙上に、日本列島の地図として記載されていました。この図表は「訪問者が多い城がある都道府県(2024年)。」と題した図表でした。この図表では、全国には来場者数が不明な城も多いため、ユーエム・サクシード(東京・渋谷)のアプリ「ニッポン城めぐり」の2024年のデータを活用しました。「ニッポン城めぐり」で来訪者数などを基に算出した上位300城の訪問スコアを都道府県別に集計しています。

 

 

ここでは2024年の都道府県別の「訪問スコア(点数)」を、40点以上から10点以下までの間を5段階に分けて識別し、これを日本列島の地図上に、紫色系の色彩で塗り分けて記述しています。

(1)  「訪問スコア」第1群、40点以上、黒色。

(2)  「訪問スコア」第2群、30点以上、40点未満、濃い紫色の斜線。

(3)  「訪問スコア」第3群、20点以上、30点未満、濃い紫色。

(4)  「訪問スコア」第4群、10点以上、20点未満、淡い紫色の斜線。

(5)  「訪問スコア」第5群、10点未満、灰色。

 

次に、この第1群から第5群の各地域について述べます。

 

第1群は、2024年度末の調査において、訪問スコア(点数)が40点以上で、その数値が最も大きかったところ(黒色)を、第1群としました。

実際に「訪問スコア」の値が40点以上あり、第1群に入れたところは、全国第1位の愛知県、第2位長野県、第3位は兵庫県であり、これに続くのは静岡県、滋賀県、岡山県で、合計6か所でした。

 

第2群は、訪問スコアが30点以上40点未満のところで、濃い紫色の斜線の地域でした。これは以下です。ここは福島県、岐阜県、福井県、三重県、愛媛県の5か所でした。

 

 ここでは第1群と第2群の11カ所が、この訪問スコアの競争のレースを牽引していますが、ここでのレースの牽引者は、これまでこの研究報告で報告してきた幾多の産業改革のリーダーとは、大分印象が違いました。いままでの改革とは、性質が異なる改革なので、私の蓄積した「勘」は働かないのです。

 

第3群は、訪問スコア(注2)が20点以上30点未満のところで、濃い紫色に染めた地域でした。これは以下です。宮城県、山形県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、京都府、大阪府、島根県、広島県の10か所でした。ここには力があると、私が信じていた大物地域である、東京、大阪、京都が、今は、この場所で沈黙していました。

 

第4群は、訪問スコアが10点以上20点未満のところで、淡い紫色の地域でした。これは以下です。北海道、青森県、秋田県、新潟県、茨城県、栃木県、富山県、神奈川県、山梨県、奈良県、三重県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、沖縄県、香川県の18カ所でした。ここは、今のポジションは、ビリから二番目の集団です。この人たちは、今は、ここにいますが,力を秘めた連中です。この中から、元気よく飛び出すところが出てくるのでしょうか。本当は楽しみな連中なのです。期待される連中なのです。

 

第5群は、訪問スコア値が最も小さかったところ10点未満の地域で、これは、灰色に塗ってありました。そこに属していたのは、岩手県、石川県、鳥取県、和歌山県、宮崎県、鹿児島県、徳島県、高知県の8カ所でした。私が期待している県が、こんなビリに落ちているのかと驚きました。

 

 この調査で、今、全国各地で熱心に進められている「訪問スコア」の推進プロジェクトの進捗状況が良く判りました。このブロジェクトで、今、先陣を切っているのは、第1群を牽引している愛知、長野、兵庫、静岡、滋賀、岡山の6県でした。また第2群の5か所、福島、岐阜、福井、三重、愛媛も、このブロジェクトの牽引者に含めておいた方が良いと思うのですが、このブロジェクトの特殊性なのか、その顔ぶれは、ちょっと見慣れないのです。でも、国が次世代に向けて企画している重要な新しい試みに挑戦している人達ですから、きわめて重要なメンバーのはずなのです。私は、頭にある先入感を、きっぱりと捨てて、よく考え直す必要があることを痛感しました。


 

[図表2]

 図表2(注6)は、「2023年度に入場者が多かった城」と題した図表でした。これは日本経済新聞の2025年2月22日の朝刊に掲載されていた図表です。

 

 ここでは、2023年度に入場者が多かった城のベスト10を列記しています。これを図表2として下記に示します。データの出所は、全国城郭管理者協議会です。

 

 

図表2「2023年度に入場者が多かった城」

 

順位  城名    入場者数   訪問スコアの群分け 都道府県名  市町村名

1  大阪城   240(万人)  第3群、    大阪府    大阪市

2  名古屋城  205      第1群     愛知県    名古屋市

3  二条城   185      第3群     京都府    京都市

4  姫路城   147      第1群     兵庫県    姫路市

5  熊本城   135      第4群     熊本県    熊本市

6  首里城    95      第4群     沖縄県    那覇市

7  松本城    89      第1群     長野県    松本市

8  彦根城    65      第1群     滋賀県    彦根市

9  犬山城    60      第1群     愛知県    犬山市

10 小田原城   58      第4群     神奈川県   小田原市

 

  この図表2では、全国の「2023年度に入場者数が多かった城」について、入場者数が多かった順に、第1位から第10位までを列記してあります。全国第1位は大阪城で240(万人)、第2位、名古屋城205、第3位二条城185、第4位姫路城147、第5位熊本城135(万人)で、第5位まで100万人を超えていました。第7位の松本城まで90万人近くあり多数でしたが、この後の入場者数は、急速に小さくなっています。

 

 私は、この図表2の各城に対して、図表1で整理分別した「訪問スコア(注2)」を付記してみました。 私は、これを見て驚きました。この入場者の多かった上位10城の内の半分の5城が「訪問スコア第1群」だったのです。

  また、この第1群の各城の都道府県を記載してみましたら、これにも驚きました。これは、とても多彩なのです。ここで登場した第1群の都道府県は、愛知県、兵庫県、長野県、滋賀県が顔を揃えていました。このうち愛知県は、名古屋市の名古屋城と犬山市の犬山城の2城が顔を出していました。

 

  なお、第1群とは、訪問スコアが40以上の地域で訪問者の数が最も多かった地域です。(すなわち、訪問者数を、最大第1群の40以上、第2群30以上40未満、第3群20以上30未満、第4群10以上20未満、第5群10未満にわけた、その第1群です。)

  そしてその地域は、日本列島の中央部(愛知,長野)と関西(姫路、滋賀)と、列島中央部とその西側に集中していたのです。この「入場者数が著しく多い城」の集まっているところは、今後の日本社会の進化を牽引していく地域だと思われます。

  その重心が、どの当たりにあるのか、大分、見当がついたのです。これに大阪、京都(第3群) を加えた勢力が、日本国の牽引者だと思われます。

 

 

[図表3]

図表3(注7)は、「総入場数は2000万人超え」と題する図表でした。この図表の左欄には、0、500、1000、1500、2000万人と、全国城郭管理者協議会(注1)に加盟する50城の入城者総数(万人)が記してありました。

また、下欄には2013年度、2015、2017、2019、2021、2023年度と「年度」が記してありました。

 

この図表では、左欄の入場者総数(万人)と、下欄の「年度」を使って、「各年度ごとの総入場者総数」を示す「棒グラフ」が列記されていました。

この棒グラフの列は、三つの段階の姿を示していました。すなわち、2013年度から2019年度までの7年間は、入城者数総数の初期の姿を示していますが、実はここが、このブロジェクトの絶頂期だったのです。

すなわち、2013年度の1750万人から始まり、2015年度には絶好調で2178万人の頂点に達し、その後2019年の1800万人へと、ゆるやかに下降していました。すなわち、2013年度から2019年度までの7年間には、1750万人から2178万人の最高水準の入場者数までの到達を実現した、一番活発だった時期なのです。

しかし、これが新型ウイルス禍で、入場者数700万人へと急転落しました。この転落期は、2020~2021年度と2年間続いたのです。これが二段目で転落期です。

そして、2022年度から急回復を開始し、2023年度には2000万人を、再び回復しました。これが、三段目の回復期です。これは劇的な転落と回復の姿なのです。

 

ところで、2024年度以降は、どうなるのでしょうか。ここには、来年度以降の予測については、データがありませんので、わからないのですが、私は、手を合わせて祈っているのです。近々に、未来予測のデータが出てくると思いますが、私は、希望の持てるデータが出てくることを、まさに、一心に祈っています。

 

 

(注1) 全国城郭管理者協議会とは、全国の著名な城郭が加盟する団体である。2019年12月に、「日本の名城-全国城郭管理協会出版」と題する公式ガイドブックを出版した。令和元年12月1日までに加盟した50の城郭について、基本情報や写真・特徴などを明細に記載して、さらにこれを順次リニューアルしている。

 

(注2) スコアとは、競技試験得点・得点記録である。訪問スコアとは、訪問活動における活動成果の得点である。

 

(注3)仮想現実、VR、Virtual Realityとは、コンピュータにより創出した世界でありながら、ユーザーはそれを現実のように知覚・体験できる技術である。VRゴーグルを装着したユーザーは、仮想現実の映像を360度見渡すことができる。そのため、非現実的な世界でありながらリアルに近い没入感が味わえる。技術の発達により、スマートフォンでVRを体験できることが増えている。これは将来性の高い技術の1つである。

 

(注4)SDGsと観光町づくり会議。SDGs(Sustainable Development Goals)は、2015年に国連総会で採択された「持続可能な開発目標」のことを指す。全世界の国々が共同で取り組むべき目標として、経済・社会・環境の3つの側面から17の目標と169のターゲットが設定されている。

また、観光町づくり会議によって、町家・古民家等の歴史的観光資源を活用し、訪日外国人旅行者や国内観光客等をターゲットにした観光まちづくりを展開することにより、高付加価値な地域経済牽引事業の促進を図り、雇用者の給与増等を通じて地域内での経済の好循環を目指せる。

 

(注5)日本経済新聞2025年2月22日の日経朝刊2面には、三つの図表が掲載されている。図表1①「訪問者が多い城がある都道府県(2024年)」。(注)アプリ「ニッポン城めぐり」で来訪者数などを基に算出した上位300城の訪問スコアを都道府県別に集計。

 

(注6)日本経済新聞2025年2月22日の日経朝刊2面には、三つの図表が掲載されている。図表2②「2023年度に入場者が多かった城」。(出所)全国城郭管理者協議会。

 

(注7)日本経済新聞2025年2月22日の日経朝刊2面には、三つの図表が掲載されている。図表3➂「総入場者数は2000万人超え」。全国城郭管理者協議会に加盟する約50城の合計。

 

 

(1)   日本経済新聞、2025年2月22日 朝刊(2面)。

[付記]2025年3月3日:

 

 
 
 

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