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地域の誇り

  • honchikojisitenji
  • 2月23日
  • 読了時間: 2分

群馬県甘楽町には楽山園という庭園があります。小幡藩の始祖の織田信雄(織田信長の二男)が作らせた池泉回遊式庭園で、傾斜のある地形と借景がマッチした美しい庭園でした。小幡城址(城と言うより陣屋のような屋敷跡)に隣接していますが、明治維新後、十分な管理がされていなかったようです。平成に入り、復元的整備工事により、江戸中期の庭園の基本図に基づいて整備されました。茶室や東屋などもその際に復元されました。それ以来、町民有志の献身的な維持管理の活動により、美しい景観が維持されています。

池の水は、2kmほど上流から城下の町内に引かれた雄川堰からの張り巡らされた水路から得ていますが、乾燥期のこの時期でもかなりの流水量は確保されています。

景観上のアクセントとして、いろは四十八石と言われる庭石が配置されています。荒廃期に大部分が散逸してしまったとのことですが、これも復元されており、往時の池の周りを巡る庭園の雰囲気を蘇らせています。

お城が地域の求心力として重要なことは以前述べましたが、お城のない小幡城下では、この楽山園が地域の誇りとなるような住民感情をもたらしているのかもしれません。このような誇りは地域を創造していくうえでたいへん重要です。

大きな庭園ではありませんが、観光客が少なかったので、ゆったり見て回ることができました。観光客を呼び込むことに熱を入れ過ぎず、地域の誇りを損なわず地域住民から愛され続ける、程ほどのPRを心掛けているのかな、と感じました。しかし、富岡製糸工場が世界遺産に登録されて、ツアーとして回るポイントに設定されているようなので、普段はもっと賑わっているのかもしれません。甘楽町にはこんにゃくパークという集客施設があり、話題になっていますが、そちらと一緒に観光するというのも全然違う雰囲気で面白かったので、もっと有名になってもらいたい史跡名勝でした。

春の花の時期は、桜やかきつばたが池に映えてとても美しそうです。

 
 
 

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