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割り箸に思う

  • honchikojisitenji
  • 7月14日
  • 読了時間: 2分

北海道下川町でお邪魔した木材加工工場が新たに始めたトドマツの割り箸生産の様子です。この細かい木の棒に、割り箸にする半割加工を施して割り箸にするのです。

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まだ、試験販売の状況のようですが、手ごたえはつかんでいるようです。

国内の割り箸の生産者は減少しており、北海道も例にもれず、数えるほどになってしまっているようです。トドマツの箸を作っている会社も一つ、二つではないでしょうか。

トドマツは、北海道の主要な造林樹種ですが、近年ようやく植えられたトドマツが伐採利用できる太さになり、合板や建築用材に使われています。材の白さ、香りの淡白さがウリかもしれません。その、間伐材の丸太や建築用材を生産した際に出る端材を割り箸に加工しているのです。木材加工工場も人手不足の中、このような製品を作るのに人を割くのも、トドマツという木材を普及したいという思いがあるようです。以前、この地域に残っていた箸工場が廃業したんだそうですが、何とか復活させたいという話でした。

トドマツはモミの仲間なのですが、本州のモミはモミ箱といってそうめん箱や様々な食品の贈答用の箱に使われてきました。軽い、白い、香りが食べ物に移らないといった特徴があって、食べ物と相性が良いのだと思います。割り箸に使われるのも、この特徴を活かしているのでしょう。

割り箸は日本の食文化とも言えるもので、起源は江戸時代に遡るそうです。当時の江戸の町に発達した外食産業で、使い回しされていない、見た目で清潔、未使用であることがわかる衛生的な箸として考案されたものです。使い捨ての割り箸は木材の無駄遣いではないかといった批判もありますが、外食、お弁当における衛生上の意義は今でも大きいと思いますし、使い回しのプラスチックなどの箸には洗う水の無駄遣い、洗剤による排水汚染といった環境負荷もあります。地域資源を無駄にしないで使っている割り箸と地域のものづくりをぜひ応援したいものです。

 
 
 

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