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ダケカンバ林の更新

  • honchikojisitenji
  • 7月7日
  • 読了時間: 2分

写真は北海道大学雨竜研究林内の再生ダケカンバ林です。再生前の伐採がされたのは、およそ50年前。その後、ササの根系を搔き起して、天然に更新したほぼ一斉林です。シラカバがわずかに混交しているそうですが、シラカバの分布上限に近く、ほとんどがダケカンバということのようです。風当たりも強くないようで、比較的真っ直ぐに伸びています。林床はチシマザサが優占していますが、手前部分はこの林を伐採して、ササの根系を搔き起こして天地返しした場所で、15㎝程のダケカンバの更新樹と草本類が生えています。裸地の部分は、搬出のためのトラクターの轍の跡でした。

ダケカンバ更新樹は㎡あたり数十本以上は発生しているので、その健全な成長を確保するためには、もう少し大きくなった時点で、残存数千本以下に減らす(いわゆる間引き)必要があるようです。

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次の写真のように、40m幅の林地を帯状に10m幅で皆伐し、10年間隔で順次3回伐採して、40年で元に戻って再生した林を伐採するという循環施業を目指しているということでした。

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こちらの伐採跡地はササの根を搔き起こしただけで、天地返しはしていません。ダケカンバの更新は悪く、草本類が主です。天地返しが更新の促進には有効だということがわかりますが、昔の伐採・天然更新では天地返しを行っていないそうなので、更新に係る時間を促進するだけなのかもしれません。このやり方でもきちんと更新がされるのならば、更新樹の本数は少なくなるでしょうから間引きの手間は少なくて済むかもしれません。伐採の間隔は伸びてしまうかもしれませんが・・・

ダケカンバはシラカバに比べるとやや硬い材質ですが、北海道では家具や合板、フローリングなどにも使われています。通直でないものが多いので用材としての歩留まりが悪く、単価は低いようです。しかし、このやり方では育成・生産コストが安いため、材の単価が安くても採算が取れそうです。最近は野球のバット材として注目され始めています。

地域で持続できる資源の利用として、所得と雇用に貢献していく林業の形かもしれません。


 
 
 

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