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センダンの家具

更新日:7月17日


写真はセンダンという木を使った円テーブルです。

センダンは日本に自生しています。ことわざに「栴檀は二葉より芳し」というのがありますが、この栴檀はインドなどに自生するビャクダン(白檀)のことだと言われています。白檀は香木として珍重されている香気のある木ですが、日本のセンダンは、分類上、科から異なる種類の木です。早く成長するとともに、大きく枝を広げるので、街路樹、庭園樹に用いられてきました。一方、材はケヤキの代替材として使われることもありました。近年、早く成長する特性が注目され、芽搔きによって幹を通直に伸ばし、15~20年程度で収穫する育林手法が熊本の天草地方で確立されて、家具用材として大川(福岡県の家具産地)などで積極的に使おうという動きが起きています。

これも、大川の家具メーカーの製品。20年くらいでは幹がまだ細いので、細かくカットして貼り合わせています。しかし、木目が際立ち、赤紫色の光沢、ツヤがある材面なので、とても目を引きます。その材面の美しさが魅力になっています。

家具用の広葉樹材は、国内の資源が枯渇し、長く、材料を北米、シベリア、南洋などの外国産材に依存してきました。しかし、外国資源も供給が細く、不安定になることが危惧されており、もっと国産のものを使えないかという運動になり、まだ細いものでも丁寧に木取りをして、うまく使う試みが広がっています。センダンは天然木に頼ることなく、キリのように人工栽培で育てられたものを利用する自然資源への負荷を減らす取組として注目されており、その栽培も地域的に広がっています。早く成長するためには肥沃な土壌を必要とするため、耕作放棄地に植栽することが推奨され、効果的な土地利用、地域の新しい収入源を目指す取組となっています。

単に早く育つというだけでなく、材の美しさといったセールスポイントもあるので、家具として付加価値を付けて使ってもらえる先も近くにあるといった条件は不可欠ではあるものの、地域の創造に一役買える樹木資源です。


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