「日本再生][地域創生] ラーメン、まちに熱気 2024年7月8日 山形市「推しメン」紹介サイト 全国2万店、訪日客にも人気
- honchikojisitenji
- 2024年7月8日
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続木 碧(つづき あお) 2024年7月(研究報告№116)
「巻頭の一言」
ラーメンを地域活性化の起爆剤にしようという動きが広がっています。国内でラーメンを提供する店舗は2万店を超えます。訪日客からも人気があり、観光誘客など波及効果に期待する自治体は多いのです。人口あたりの店舗数が全国最多の山形県は、独自の麵文化を全面に出して地域のにぎわいにつなげています。日本経済新聞、2024年6月29日、朝刊、2面記事(瀬口蔵広、水庫弘貴)を参照・引用して記述。
[日本再生][地域創生]ラーメン、まちに熱気 山形市「推しメン」紹介サイト 全国2万店、訪日客にも人気
「日本再生」「地域創生」ラーメン、まちに熱気 山形市「推しメン」紹介サイト 全国2万店、訪日客にも人気
ここでは、日本経済新聞の2024年6月29日朝刊2面の記事を紹介します。
[はじめに]
国の経済センサス(注1)によりますと、2021年の中華料理店の市場規模は、1兆3700億円で、ラーメン店が半分を占めるとみられます。観光庁の訪日客調査では、日本の飲食店の満足度が肉料理に次ぐ2位で、寿司を上回りました。
地域情報検索サイト「iタウンページ」から、ラーメンを提供する店舗を抽出して都道府県別に集計しました。全国の店舗数は6月初め時点で2万1110でした。人口1万人あたりの店舗数は山形県がトップで新潟県、秋田県が続きました。
[山形県]
ラーメン県そば王国。これは、山形県が2023年に商標登録を申請したキャッチフレーズです。県内には古くからそば店が多く、「そば街道」と呼ばれるエリアも複数あります。一方でそば店でも提供するなどラーメンも、県民の食文化に根付いており、アピール力を高めて交流人口の拡大を目指しています。
県南部の南陽市は「ラーメン課」を設けるなど、ひときわ力を入れています。赤湯温泉やワインでも知られるのですが、人口3万人のまちに「辛みそ」など多彩な味のラーメン店が50以上集まることに着目しました。
「ラーメンマップ」による情報発信のほか、店舗ごとにオリジナルカードを配る「カードラリー(注2)」も開いています。人気漫画「ラーメン大好き小泉さん」とコラボ(注3)した2023年11月~2024年1月のラリーには、延べ2万7000人が訪れました。宿泊施設も賑わい、経済効果は1億7000万円に達しました。
訪日客向けにラーメン作りの体験ツアーも開きました。「ラーメン課主事補」でもある白石孝夫市長は「ラーメン目的で訪れる人が増えており、温泉など他の魅力にも触れてもらえるように一段と努力したい」力を込めています。
総務省の家計調査で1世帯あたり支出額が毎年のように話題になるギョーザ。三つどもえのトップ争いが続く、宇都宮、浜松、宮崎の3市は、その話題性を生かしたまちづくりに力を入れています。
山形市は、「ラーメン聖地」に向けた活動も始めました。「山ラー」を商標登録し、200のラーメン店を紹介するサイト「#推しメンやまがた」も開設しました。2024年度予算には、サイト運営費や多言語対応などに3000万円を計上しました。
[新潟市]
一方、山形市と支出額トップを競う新潟市も、ラーメンなど食による観光誘致に力を入れています。70のラーメン店情報を載せたパンフレットを作り、スマートフォンでは220店を紹介しています。2024年度は2000万円の関連予算を盛り込みました。JR新潟駅の駅ビルには、「ニイガタバル★麵横町」が4月に開業しました。
[この項のまとめ]
観光誘客だけではないのです。「佐野ラーメン」で知られる栃木県佐野市は移住促進につなげています。「佐野ラーメン予備校」を開設し、店舗運営のノウハウなどを伝授して開業意欲のある移住者を呼び込んでいます。経営者の高齢化などで廃業した、空き店舗のあっせんも手掛けています。一連のプロジェクトを通じて7店が新たに開業し、15世帯31人が移住しました。
ラーメンの食文化を研究する大和大学の立花晃准教授は「ラーメンは山奥でも行列が出来るほど地理的な障壁が低いのです。地元食材の活用などで地域の魅力発進にもつなげたい」と強調しています。「訪日客対応やラーメン店を開きたい若者らの支援など、自治体が取り組めることも多い」と話しています。日本経済新聞、2024年6月29日、朝刊、2面記事(瀬口蔵広、水庫弘貴)を参照・引用して記述。
[まとめ]
この研究報告の執筆で参照引用した2024年6月29日、朝刊、2面記事(瀬口蔵弘、水庫弘貴)には三つの図表が記載されていました。それを引用します。以下です。①人口1万人あたりのラーメン店。(注)iタウンページから「ラーメン店を検索して集計。人口は2023年度住民基本台帳。②家計の支出額も東北・北陸地方が高い。(2021年~2023年平均)。(注)総務省「家計調査」中華そばの1世帯あたりの支出額(2人以上、外食)。➂全国平均の支出額はコロナ禍から急回復した。
[図表1]
図表1(注5)には、新聞紙上に日本列島の地図が記載されていました。これは「人口1万人あたりのラーメン店」と題した図表でした。これは、日経新聞がタウンページ(注4)
から「ラーメン店」を検索して、作成したものです。2023年度のスタートアップ企業数を大学数(短大、高専を含む)で割り、2018年度と比較したものです。
ここでは「人口1万人あたりのラーメン店」を5段階に分けて、日本列島の地図を色分けして示していました。その色分けは以下です。①「人口1万人あたりのラーメン店」スタートアップ企業発生4店以上(黒茶色)。②「人口1万人あたりのラーメン店」3~4店未満、(黒茶色の斜線)。➂「人口1万人あたりのラーメン店」2~3店未満(明るい茶色)。④「人口1万人あたりのラーメン店」1~2店未満(黄緑色)。⑤「人口1万人あたりのラーメン店」1店未満(黄緑色の斜線)。
「人口1万人あたりのラーメン店」で、スタートアッブ企業発生4店以上の処(黒茶色、第1群)は、この競争で第1位の山形県の1カ所のみでした。この山形県が「人口1万人のラーメン店」でスタートアップ企業の発生が最も多かったところなのです。
「人口1万人あたりのラーメン店」スタートアップが、次に多かった処第2群(3―4店未満)は、黒茶色の斜線で示した処でした。これは、この競争第2位の新潟県、第3位秋田県、第4位の栃木県の3県で、これが第2群でした。
結局「人口1万人あたりのラーメン店」の社会を牽引しているのは、この第1~2群の4県でした。
続く第3群は、この「人口1万人あたりのラーメン店」の社会において、現状ではとても重要な集団なのです。
この色付けしている日本列島の地図を眺めていますと、日本列島の北半分が、明るい茶色に染まって見えるのです。そのメンバーは以下です。北海道、青森県、岩手県、宮城県、福島県、長野県、富山県、石川県、福井県、茨城県、群馬県、山梨県、鳥取県、島根県、佐賀県、宮崎県、鹿児島県、徳島県。すなわち、この18道県が、第3群を占めていました。
さらに続く第4群は、日本列島において第3群の南側を占めるグループです。これは、その一帯を黄緑色に染めていました。そのメンバーは以下です。埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、岐阜県、滋賀県、京都府、大阪府、三重県、和歌山県、岡山県、広島県、山口県、福岡県、長崎県、大分県、熊本県、沖縄県、香川県、愛媛県、高知県。この23都府県が、第4群です。
この4群には、東京都、京都府、大阪府の日本で最重要の大都市をはじめ、多くの重要地域が含まれています。
また、この第3群と第4群の合計で41都道府県を占めており、全国の87.2%を占めていました。
最後の第5群はこの競争で遅れをとってしまったグループ(淡い緑色の斜線)です。これは奈良県と兵庫県の2県でした。
この「人口1万人あたりのラーメン店」の社会の競争では、第3群と第4群の2群が大多数を占めていました。スタートの号砲一発、全員揃って発進しており、競争としては、立派なスタートをしていると言うことになります。でも、第4群でのスタートアップ企業の発生は、1~2店未満で、この各地での実績は、まだ最少限です。ゼロに近い紙一重なのです。
すなわち、このプロジェクトは、まだ、発進した直後なのです。ですから、今が極めて大事な時なのです。私は大きな期待を寄せていますが、心配もしています。次報の公開を、固唾を飲んで待ち望んでいるのです。日本経済新聞、2024年6月29日、朝刊、2面記事(瀬口蔵広、水庫弘貴)を参照・引用して記述。
[図表2]
表2(注6)は「家計の支出額も東北・北陸地方が高い(2021~2023年平均)」と題した図表でした。これを以下に記述します。
図表2「「家計の支出額も東北・北陸地方が高い(2021~2023年平均)」
順位 市区町村 家計の支出額
1 山形市 1万4741円
2 新潟市 1万3844
3 宇都宮市 1万1236
4 仙台市 1万1207
5 福島市 9556
6 川崎市 9117
7 富山市 9113
8 秋田市 9112
9 青森市 9007
10 盛岡市 8866
この図表には、2021年から2023年までの全国の市区町村の家計支出額を、その金額の多い順に、第1位から第10位までを列記してあります。引用した資料は、総務省「家計調査」です。
このベスト10に並んでいる10市は、東北・北陸地方が多く、ベスト10の8割を占めています。
[図表3]
図表3(注7)は「全国平均の支出額はコロナ禍から急回復した」と題した図表でした。この図表の左欄には、2000円から8000円と「支出額」が列記されており、下欄には2018年から2022年までの「年」が記してありました。この「支出額」と「年」を用いて、2000年~2022年の支出額の全国平均値の推移を記すグラフが作成されていました。
支出額の推移グラフは、2000年から2014年までは、5500円を中心に、山谷(やまたに)の激しい水平飛行が続き、2014年の5500円からは、2019年の7000円まで急上昇しました。ところが、それから2019年までは急転落し、5500円まで下落しました。そして2021年からは、反転急上昇に転じ、8000円にまでに達したのです。
全国平均支出額の推移は、近年、激変が続いています。日本経済新聞、2024年6月29日、朝刊、2面記事(瀬口蔵広、水庫弘貴)を参照・引用して記述。
(注1)経済センサスとは:、統計法で基幹統計として定められている「経済構造統計」を得るための調査名称である。【英】Census=国勢調査
(注2)「カードラリー」とは、参加申込者が博物館や美術館に入館する際にもらえる2種類のカード(「ポイントカード」と「ミュージアムカード」)を集めることにより、「ポイント賞」と「マスター賞」に応募する企画である。
(注3)コラボは、コラボレーションの略語である。「共同制作や共同作業」の意味があり、主に商品の共同開発や芸術分野で使われる。異なる企業やジャンルの人・団体が協力して、商品を開発したり、アイディアを出し合ったりすることを指す。
(注4)タウンページ(Town Page)は、東日本電信電話(NTT東日本)及び西日本電信電話(NTT西日本)が発行する職業別電話帳である。
(注5)日本経済新聞2024年6月29日朝刊2面に記載された図表1、①人口1万人あたりのラーメン店。
(注6)日本経済新聞2024年6月29日朝刊2面に記載された図表2、②家計の支出額も東北・北陸地方が高い(2021年~2023年平均)。
(注7)日本経済新聞2024年6月29日朝刊2面に記載された図表3、➂全国平均の支出額はコロナ禍から急回復した。
(1)日本経済新聞、2024年6月29日 朝刊(2面)。
[付記]2024年7月8日:.
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