田圃の姿
- honchikojisitenji
- 10月18日
- 読了時間: 2分
福島県南部の塙町の田圃です。今年は稲がよく稔って良かったです。福島では原発事故の影響で、お米作りの継続にたいへんな努力を行ってきました。除染、客土、放射線測定、全量検査などを行い、今、ようやく安定した稲作ができるようになっているのだと思います。お米作りが放棄されなかったことは、地域の再生に向けて素晴らしく、大きな意味のあることだと思います。関係者の皆様のご努力に敬意を表します。

一方、日本全国を見ればお米の需要は減る一方だったため、減反・転作を余儀なくされ、栽培面積も減少の一途をたどり、さらには労働力不足などの理由もあって、田圃の中には耕作を放棄してしまっているところが多くみられます。
下の写真は、バスの中から撮った山口県美祢市あたりの耕作放棄地の風景です。全体が黄色いので、稲が稔っているのか草が生えているのかわかりにくいですが、写真右側の田圃以外は耕作されていないようです。濃い黄色に見えるのはセイタカアワダチソウの花(手前に見えるような花)です。

この田圃がこれからどうなっていくのかは定かではありません。もう農地にもどされることはなく、人の手が入らない草地・原野と化してしまうのもやむを得ないかもしれません。しかし、外来種の侵略植物であるセイタカアワダチソウの草原になってしまうのはいただけないなと思います。どうしたら良いでしょうか?
セイタカアワダチソウは、ふた昔ほど前はそこらじゅうを席巻するような勢いで拡がり、あらゆる空き地を覆いつくすような感じで花粉をまき散らしていましたが、今はそこまでの勢いはなく、逆に衰えているように感じます。しかし、この状態を見ると、今後、元の在来種の草地に戻るとも思えませんし戻す作業がなされるとも思えません。シカやイノシシの餌場になってしまうことが危惧されますが、そのようなことを含めた新しい草地生態系として安定していくのを待つことになるのでしょう。これは、ここ山口ではびこってしまっているモウソウチクの竹林などとも同じかもしれません。
その変わった新しい生態系が、地域や私たちにどのような影響を及ぼすのか、しっかりと見つめていかなければなりません。



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