温泉の価値
- honchikojisitenji
- 2024年8月25日
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写真は、耐震改修工事を終えて、以前の姿を現した道後温泉本館です。
営業を続けながらの耐震工事をどのようにやったのかはわかりませんが、内部も以前と全然変わっていないように見えました。木造の古い建築が生まれ変わり、これから数十年、百年と続くことは喜ばしいことです。現代の技術のすごさに感謝します。
この改修は、道後温泉の価値を上げこそすれ、下げることはないでしょう。道後温泉には、この本館の他にもいくつか新しい公共浴場がありますが、道後に来たらこの本館のお湯に入りに来るのが観光客の楽しみになっているようです。私も浴衣姿で下駄を履いて、お湯を楽しんできました。
日本では、温泉は地域の創造に大きな影響を生み出してきました。道後のような有名温泉地と言われる地域では、今でもたくさんのお客様で賑わっているところが少なくありません。
地域外から人とお金をもたらすのが温泉です。かつて、バブル経済の最中にふるさと創生事業という政策があり、各自治体に1億円が交付されましたが、かなりの自治体で温泉が掘られたと記憶しています。温泉を掘り当てて、今でも、温泉施設として営業が続いているところもありますが、地域の住民のための日帰り温泉施設が多く、外から沢山の人とお金が入ってくるいわゆる温泉地になったという話を聞いたことがありません。一つの温泉だけで多くの観光客を呼び込み、雇用や経済効果を生むのは難しかったようです。温泉とともに、総合的に宿泊や飲食、交通といった集客システムを調えることが重要なので、温泉さえ出ればあとは何とかなるというモノではなかったのです。
道後は日本最古の温泉と言われています。豊富な湯量を基礎として、長い歴史を積み重ねて集客システムが作られて、多くのお客様を満足させてきたのでしょう。それは一朝一夕にできたものではありません。
一粒の特効薬などないのが地域の創造ということなのですね。
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