[日本再生][地域創生] 日本語教室 生活の礎築く 2024年12月9日 長崎の3町 共同で教師役確保 空白地、4年で2割減
- honchikojisitenji
- 2024年12月17日
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続木 碧(つづき あお) 2024年12月(研究報告№132)
「巻頭の一言」
日本に住む外国人に、日本語や日常生活のルールなどを教える「日本語教室」が広がっています。全国の約1900地域のうち、2023年度に教室が無い「空白地域」は、4年前より2割減りました。最も減らした長崎県は、県内各地に「モデル教室」を設けたほか、複数の町による共同開催も始めました。在留外国人数が過去最高となるなか、地域住民との交流拡大にもつなげています。2024年11月23日、日経朝刊、2面記事(桜井祐介)を参照・引用して記述。
[日本再生][地域創生] 日本語教室 生活の礎築く 長崎の3町 共同で教師役確保 空白地、4年で2割減
「日本再生」「地域創生」 日本語教室が生活の礎を築く 長崎の3町は共同で教師役を確保 空白地が4年で2割減少した。
ここでは、日本経済新聞の2024年11月23日、朝刊2面の記事を紹介します。
「はじめに」
日本語教室は日常生活で使う日本語のほか、食事マナーやゴミの分別、非常時の連絡方法といった生活ルールを教えます。これは住民とのコミュニケーションの場になるのです。自治体や国際交流協会(注1)、NPOなどが開催し、参加は無料や実費のみの場合が多いのです。これは留学生に日本語を教える、一般の日本語学校や大学とは異なるのです。
国の文部科学省日本語教育課は、「地方都市でも外国人が急速に増えており、どこに住んでいても日本の言葉や習慣を学べるようにしたい」と言っています。そして、政令指定都市の行政区を含めた全地域での教室開設を目指しています。そのために、運営ノウハウがある専門家の派遣や、補助金などの支援策も用意しています。
文部科学省の「日本語教育実態調査」によりますと、2023年度の教室数は、全国で1548と、着実に増えています。一方で4割残る空白地帯には14万人の外国人が住んでいます。現状は都道府県で空白ゼロは、阪神大震災時の外国人とのコミュニケーション不足などを教訓とする兵庫県だけなのです。
[長崎県・波佐見町・東彼杵町・川棚町]
長崎県は空白地域の調査が始まった2019年度には、全国最多の93%が空白でした。造船所などで働く外国人が増えていることもあり、同県は、県職員や国際交流協会(注1)所属の日本語教師らを派遣する「モデル教室」を始めました。これは10市町で開いており、2023年度の空白地域は57%に減りました。教材開発や人材育成などの支援を続けながら、2025年度からは、これを市町の運営に引き継ぐ方針です。
自治体にとって日本語教室開設の壁になっているのが、ポランティアを中心とした日本語を教える人材の確保です。長崎県波佐見町、東彼杵町、川棚町(注2)の3町は、人口が合計で3万4000人です。教師役を見付けるのが難しいことを踏まえ、今春から県の仕組みを使って3町を巡る教室(注2)を始めました。
川柵町の波戸勇則町長は、「普段の交流で顔見知りになれば、お互いに声をかけやすくなります。すれ違いも減ります」と期待しています。2025年以降も3町による教室を続ける方針で、「人手の足りない地元の祭りにも参加してほしい」と話しています。
[北海道・愛媛県]
2019年度に、空白地域が93%だった北海道は、地域で教師役を発掘・育成する研修を始めました。また、「オンライン日本語教室(注3)」も展開します。愛媛県も活用しており、「ボランティア人材と外国人をオンラインで引き合わせたことがきっかけとなって、開設が広がってきた」と愛媛県国際交流協会(注1)は言っています。
[この項のまとめ]
日本語教育に詳しい早稲田大学の池上摩希子教授は「人口減が深刻な地方都市では、外国人にも積極的に地域に関わってもらう必要があります。日本語教室は、そのきっかけになるのです」と言っています。同教授は「教室の定着には、外国人に日本語を教えるだけでなく、多彩な文化が学べる場として、住民も気軽に参加できるようにしなければならないでしょう」と言っています。2024年11月23日、日経朝刊、2面記事(桜井祐介)を参照・引用して記述。
[まとめ]
この研究報告の執筆で参照・引用した、日本経済新聞、2024年11月23日の朝刊、2面記事(桜井祐介)には、図表が2枚記載されていました。①日本語教室の「空白地域」の解消が進む」と題する図表(注4)が掲載されています。(注)2023年度に日本語教室が、ひとつもない市区町村の割合を、2019年度と比較したものです。②在留外国人増で教室数は最大に。(注)在留外国人数の出所は、出入国在留管理庁。
[図表1]
ここで最も重要なのは、日本語教室が一つもない「日本教室空白」の空白地区を減少させることです。ここで参照・引用したデータでは、現在の日本語学校の空白地区解消の進捗状況を、5段階に分けて示しています。
2024年11月23日の日経新聞紙上に、日本列島の地図として記載されていた図表(図表1、注4)を引用します。この図表は「日本語教室の『空白地帯』の解消が進む」と題した図表でした。この図表では、「日本語教室の空白地帯の解消」の状況を5段階に分け、緑色系の色彩に塗り分けて記述していました。
(1) 第1群は日本語学校の空白地の解消が最も進んだ地域です。私が参照・引用した日経新聞の記事のデータでは、現在の空白地区解消の進捗段階を5段階に分け、緑色の色彩に塗り分けて記述していました。2023年度に日本語教室がひとつもない割合を2019年度と比較した結果、30ポイント以上減少していた地域です。(黒色で表示しています。)
(2) 第2群は日本語学校の空白地の解消が2番目に進んだ地域です。ここでは日本語学校空白地の20%以上30%未満が減少していました。濃い緑色の斜線で表示しています。
(3) 第3群でも、空白地帯解消が、10%以上20%未満で進んでいます。濃い緑色で表示しています。
(4) 第4群では空白地解消は0%以上10%未満です。空白地帯の解消は、淡い緑色の斜線で表示しています。
(5) 第5群は空白地域が 横這い・増加の地域です。
このまとめを実施したデータは、2023年度に、日本語教室が、ひとつもない市区町村の割合を2019年度と比較したものです。すなわち、2023年度の日本語教室空白地帯の実態を調べ、そこが5年前の2019年度にどんな状態であったかを調べ、この5年間での日本語教室空白地帯の解消の進み具合を確認したのです。
第1群は、日本語教室が皆無の市区町村の減少率が全国一位の地域の、長崎県の一カ所だけでした。
第2群は、2023年度の2019年度からの減少率が20ポイント以上30ポイント未満の濃い緑色の斜線の地域でした。すなわち、その各地は以下です。
大分県、高知県、北海道、山梨県、岐阜県、広島県、和歌山県、熊本県、愛媛県(以上9カ所)。
この9カ所は、日本語教室の空白地区の市町村の減少が、最も進んでいる重要な地域です。特に、2位の大分県と3位の高知県は重要です。今回、参考・引用したデータには、この2地域の活動の詳細は示されていませんが、出来るだけ早く、これを把握して公表する必要があります。第3位の高知県に続く第4位以下の順位は、今回得られたデータではわかりませんが、北は北海道。本州中部は山梨県、岐阜県。関西・中国地方では和歌山県、広島県。九州・四国では、熊本県・愛媛県。と順調に広く広がっています。東北地方は、やや、遅れているようです。
第3群は、2023年度の2019年度からの空白地域の減少が、10ポイント以上20ポイント未満(緑色)の地域でした。第3群での地域カ所数は、第2群とほぼ同じです。それは以下です。
秋田県、石川県、長野県、京都府、岡山県、山口県、福岡県、佐賀県、宮崎県、鹿児島県(以上10カ所)。ここは第2群に次いで重要な地域です。ここには、この地方での重要な地域が並んでいます。このうち、どこがこ台頭してくるのか楽しみです。
第4群は、この11年間で、空白地域の減少が10ポイント未満の地域です。この地域は、空白地域の減少としては最少の地域です。これは以下です。
青森県、岩手県、山形県、宮城県、新潟県、富山県、群馬県、千葉県、埼玉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、三重県、兵庫県、奈良県、大阪府、広島県、香川県、徳島県(以上20カ所)。この地域は、このプロジェクトでは、大分、立ち遅れました。この中には、これまでの諸プロジェクトでリーダーであった有力地域も多いのです。国・自治体・国民、みんなで、この地域の人々の背中を押して、みんなで頑張らねばなりません。
第5群は、もう空白地減少地域ではありません。空白地の横這い・増加の地域です。それは以下です。福島県、栃木県、福井県、滋賀県、鳥取県、島根県、沖縄県(灰色)、以上7カ所です。この地域は、このブロジェクトでは、本当に立ち遅れました。国は、根本的な支援を考えねばならない時です。
[図表2]
図表2(注5)は、「在留外国人増で教室数は増加」と題した図表でした。この図表の右欄には、1000、1200、1400、1600と教室数「カ所」が記されていました。また、下欄には2013年度から2023年までの11年間の「年度」が記してありました。この縦横を用いて、各年度における日本語教室数を示す、濃い緑色の折れ線グラフが記してありました。なお、このデータの出所は、出入国在留管理庁です。
この折れ線グラフは、2013年度の1000教室から始まり、2023年度にむかって順調に上昇し、1600教室に達していました。
一方、在留外国人数については、左欄に、0、100、200、300、400万人と在留外国人の人数(万人)が記してあり、これと下欄の「年度」を用いて「青緑色」の棒グラフが書かれていました。この棒グラフについては、2013年度の200万人から始まり、少しずつ順調に上昇を続け、2023年度には350万人に達していました。
この折れ線グラフも棒グラフも、2013年から2023年の間の11年間では、上昇基調にあり、今後もさらに、上昇していくと期待されているのです。
でも、日本の現在の産業・企業・社会の大問題は、今後、予想される在留外国人数を十分に配慮したうえで、日本語学校数を、しっかり増やして行けるかどうかが重要なのです。
これは未来に向う日本にとって、きわめて重要な事項ですから、日本国も企業も日本人も、全力でこの成長を推進していかねばなりません。
この論文の総まとめ
人口減少が、ますます進む日本において、真面目に良く働く外国人に、日本に来て貰うのは、一番の良策です。それには、この論文で推奨してきた、外国人に、日本語や日常生活のルールなどを教える「日本語教室」を、徹底的に広げるのが、最高の方策だと思います。日本の各地の「マチ」の日本語教室空白地の「日本中ゼロ」を実現できれば、外国人ばかりでなく日本人も賢くなり、日本の明るい未来が開けると思うのです。皆さん、これを目標にして、団結して頑張りましょう。
(注2) 長崎県波佐見町、東彼杵町、川棚町の3町合同の日本語教室:東彼杵町(ひがしそのぎちょう)・川棚町(かわたなちょう)・波佐見町(はさみちょう)の3町では、合同で地域の日本人住民と外国人住民が「やさしい日本語」を学びながら楽しく交流する日本語教室を開催している。地域では、外国人はもちろん、日本人も気軽に参加してほしいと呼びかけている。
(注3) オンライン日本語教室とは、その名の通り「オンラインで日本語が学習できる」教室である。 インターネットを利用して、自宅や滞在先など、場所を選ばずに日本語を学習できることが特徴である。オンラインプラットフォームやアプリを通じて、テキスト、ビデオ、オーディオなど多様な教材を利用し、学習を進めることができる。リアルタイムでのレッスンや、自己学習用のコースを提供するサービスもある。
(注4) 日本経済新聞2024年11月23日の日経朝刊2面には、二つの図表が掲載されている。
図表1①日本語教育の「空白地帯」解消が進む。(注)2023年度に日本語教育がひとつもない市区町村の割合を、2019年度と比較した。政令指定都市の行政区も含む。出所は文部科学省。
(注5) 日本経済新聞2024年11月23日の日経朝刊2面には、二つの図表が掲載されている。
図表2②在留外国人増で教室数は最多に。(注)在留外国人数の出所は出入国在留管理庁。
(1)日本経済新聞、2024年11月23日 朝刊(2面)。
[付記]2024年12月9日:
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