山は美しく、人を喜ばせる
- honchikojisitenji
- 2024年6月16日
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写真は北陸新幹線の中から撮った立山連峰の剱岳です。特異な山の形をしており、遠くから稜線の姿を見ても峻険で、雪の姿も美しい山です。
冬は勿論のこと、夏でも登頂困難な山として登山をされる方の憧れを集めてきた山で、「岩と雪の殿堂」とも呼ばれています。また、立山修験道信仰の対象ともなっていましたが、あまりの険しさで、針山地獄と呼ばれ、修験者でも足を踏み入れることはなかったと言われています。
近代に入って、1907年に帝国陸軍の測量部が登頂をしましたが、それまでは日本国内での測量空白地帯だったようです。登頂した際に、古い人跡(錫杖の頭部と鉄剣と焚火跡)が発見され、奈良時代後期から平安時代初期のもとを考えられているそうです。修験道が発達したのは奈良時代と言われていますから、その初期に登られたということのようですが、登山装備もない当時にこの山を登頂した修験者は称賛に値すると思います。しかし、文書の記録も伝承もなく、誰なのかはわかりません。
美しい山なので、富士山同様、日中の北陸新幹線に乗るときには必ずこちらの窓側に席を取ります。
このように人を寄せ付けないような険しい山を地域の創造にどのように結び付けていくのかは難しい課題ですが、幸い、この地域は黒部、立山といった観光資源に恵まれているので、訪れる方には、美しい山を眺め、先人の苦労を偲ぶだけでも素敵な体験になるのではないでしょうか。
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