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地域を創造するために必要なこと


写真は、JR和歌山駅のみどりの窓口の一角に据え付けられた「戻り苗」というプロジェクトのPR展示です。

戻り苗プロジェクトは、ソマノベースという和歌山県田辺市の会社が興したもので、地域で集めたどんぐりから苗を芽生えさせるところから、1~2年間会社や自宅で育てて、地域の山に戻して森づくりをするという体験型プロジェクトです。人や企業に、地域の森や自然に対する関心を呼び戻し、地域の環境を作り、地域の資源を作るという地域創造のための多目的にわたる取組を広げています。写真のラダーシェルフは和歌山産のヒノキ製で、会社用に備え付け、会社が森林整備に取り組んでいることを顧客の皆様にも関心を持ってもらえるようにする表示パネルも含めた一式のセットだそうです。下の二段にはどんぐりが土に埋まっており、上の二段にはどんぐりから芽生えて苗木が大きくなっています。

JR和歌山駅としては、その戻り苗プロジェクトに参加していることを切符を求める人にPRするだけでなく、みどりの窓口にできた長い列に並ぶたくさんの方の焦る心を緑の力で少しでも和らげ、イラついた気持ちが癒されるように置いているのだと思います。

この木の種類はウバメガシ(姥目樫)で、この木を知らない方でも、和歌山の特産物である備長炭の材料になっている木と言えばうなぎ屋や焼き鳥屋でお目にかかったこともあり、親しみが沸くでしょう。備長炭は安定した火力で長時間燃えるという品質的に世界に誇れる炭で、焼き物料理の加熱に最適な炭です。不純物が少ないため煙がほとんど出ず、料理に雑味が付かないのです。普通の黒い炭とは異なり表面は白く白炭と称されますが、その製炭技術は和歌山県の無形民俗文化財に指定されています。

地域の人達が、地域の資源を使い、地域の環境や地域の資源そして地域の文化を創り出していく、そこに地域内外のお金が投資されるという地域の創造の取組の分かりやすい事例だと思います。その分かりやすさから他地域にも取組が広がっているようです。ぜひ、参加者の環が広がり、たくさんの方にそれぞれの地域の森林の整備、保全、利活用に関心を持ってもらえたら良いですね。




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