top of page
honchikojisitenji

地域のなりわい

地域にはその地域に受け継がれてきたなりわいがあります。漢字では生業と書かれ、生活を営むため、生計を立てるための仕事のことをいいます。地域にある資源と人の頭の中にある思考に、手(労働)を加えて、お金や生活必需品と交換できる何かを作りだす行為です。地域の創造には、このなりわいが沢山あることが必要です。地域にある様々な資源に、知恵と工夫を凝らしてモノの生産を量的に拡大したり、付加価値を付けたりするのですが、そのことの高度化や多様化、そしてなりわいのつながりが地域の価値を向上させるのです。

写真は宍道湖のしじみ漁の姿です。汽水湖である宍道湖は古くからしじみの名産地だったそうですが、汽水湖であるがゆえに、水深4mを超える深さの湖底では比重の高い塩水が滞留し、有機物の分解などでその水中の酸素が消費され、酸素の乏しい塩水の塊が形成されるそうです。しじみは酸欠で育たないという自然環境なのだそうです。湖岸に近い浅瀬で漁をしているのはそのような理由があります。当然、採取できる量に限りがあり、漁師仲間うちで、一日の採取量や採取できるしじみの大きさに制限などを自主的にかけて操業しているそうです。

 しかし、自然の環境に委ねているだけではなく、湖岸の清掃、藻・水草の除去、周囲の森林の整備など環境保全の活動がなされています。さらに、水深の深い地点で、浮遊するしじみの幼生を捕捉し、ある程度の大きさの稚貝になるまでその水中で育て、浅瀬に放流するという採苗ということも行って、資源が減少しないような工夫を行っているとのことです。しじみ漁をなりわいとすべく持続性を維持する活動です。このような活動を漁師だけでなく、地域の方々と一緒に行っているようです。

こちらは、松江市役所の湖岸を望むだんだんテラスです。朝なので、静かでとても気持ちの良いところでした。地場産スギを使って、天井や階段の裏側が木質化されています。2階は宍道湖の眺望の良いテラスになっています。日中は市民に開放されている素敵な場所です。木材の取扱いも地域のなりわいの一つでしょうし、このテラスは農産物販売などのイベントに使われることも多いそうです。人のつながりが賑わいを呼び起こすのでしょう。

閲覧数:1回0件のコメント

最新記事

すべて表示

[日本再生][地域創生]「地方公務員の離職を防げ」2024年9月30日 福岡県 若手案をもとにDX推進 2022年度、5年前より46%増

続木 碧(つづき あお)   2024年9月(研究報告№125)                                                                                                    ...

Comments


bottom of page