ネズミサシの林
- honchikojisitenji
- 2024年1月14日
- 読了時間: 2分
昨年9月中旬に広島の東広島あたりのネズミサシの林を見に行きました。ネズミサシの単木は見たことがありましたが、ネズミサシの林になっているのを見るのは初めてです。天然林ですからネズミサシの純林というわけではありませんが、ネズミサシが優占した林でした。学生時代から松くい虫の被害にあったアカマツ林はコナラなどを主体とした広葉樹林に更新していくものと思い込んでいましたし、中国山地の山を車や新幹線から見てもそのように見えていました。時たま針葉樹のとんがった頂が見ることもありましたが、ヒノキが生えているのだろうくらいに思っていました。40年以上の間、このような形でネズミサシが更新しているとは思いませんでした。
元々、花崗岩地帯に適応した種として、この地域に自生していたようですし、直径も太いものでは1mくらいにはなるそうなので、木材としても使われて来たのだと思います。しかし、私自身は智頭の石谷家屋敷でネズミサシの床柱を見たことがありますが、それ以外、実際、どう使われて来たのかは見たことがなく知りませんでした。
この林は生産森林組合の林で、地元の方々が毎年伐って薪にしたり、地域の木工所や市場に出したりしているそうです。
見学を案内してくださった方の木工所では、このネズミサシの実(ジュニパーベリー)を使ってジンを製造しているに広島のお酒のお店と、テイスティ―ウッドという木製マドラーのような小物を製造しています。インスタントコーヒーにしばらくこのテイスティ―ウッドを漬けておくと、コーヒーの味がまろやかで香り豊かな別ものになり、びっくりしました。レギュラーコーヒーと言われてもわからないような味になりました。
地域の資源をうまく活かして、現在の需要を見つけていく面白い取組だなと思います。需要そのものはそれほど大きいものではありませんが、このような努力が地域の所得を作り出していくので、人まねすることなく地域の知恵と工夫と他とのつながりを作って取り組んでいく姿勢が大事なのだと思います。益々、取組が広がりますように。
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