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「日本再生]「地域創生」温泉街にアート 大分沸く 2023年11月27日 金沢Uターン人材 街に彩り 自治体の文化支援3割増 

  • honchikojisitenji
  • 2023年12月1日
  • 読了時間: 8分

 

続木 碧(つづき あお2023年11月(研究報告№090)

「巻頭の一言」

 文化や芸術を、イベントなどソフト面から根付かせて、地域の魅力を引き上げ、多様な人々を呼び込もうと狙う自治体が増えています。都道府県と市区町村の芸術文化事業費の合計は10年間で3割近く伸びました。先行する地域では芸術家と住民の交流のほか、地方から文化発信を志す若き才能のUターンなどが、まちに刺激や彩りをもたらしています。日本経済新聞2023年11月11日、朝刊、2面記事(田崎陸)を参照・引用して記述。

 

「地域創生」温泉街にアート 大分沸く 金沢Uターン人材 街に彩り 自治体の文化支援3割増 

 

「地域創生」温泉街にアート 大分沸く 金沢Uターン人材 街に彩り 自治体の文化支援3割増

 

ここでは日本経済新聞の2023年11月11日2面の記事を紹介します。

 

[はじめに] 

「人々がオープンで、交流からアイディアが浮かぶ」。フィリピンの女性芸術家、テクラ・タモリアさんは、拠点とする大分県別府市内の古い倉庫で笑顔をみせています。タモリアさんは布など身近な材料による造形で、注目される若手で、地元NPOのBEPPU PROJECTが2023年9月に招きました。11月16日まで滞在し、住民から集めた古着を用いて製作と発表をします。日本経済新聞2023年11月11日、朝刊、2面記事(田崎陸)を参照・引用して記述。

 

[大分県・別府市]

このNPO法人は、大分県別府市などの温泉地で、アートで新風を吹き込んできたのです。国内外の芸術家による滞在製作は、毎年恒例で、今回はカンボジアと日本から3人が参加しました。NPOの中村恭子代表は「よその目が入ると地域の新しい資源にも気づく」と話しています。芸樹家にアトリエ付きのアパートを月1万円で貸す事業も始めています。現在は計111人が活用し,23人は別府市内で活動を続けています。

大分県は別府市を含む実行委員会で、11月12日まで2カ月近く、市内各所で文化イベントを開催してきました。温泉街では若い世代が目立ち「アートを切り口に訪れてくれるようになった」と別府市の長野恭紘市長は話しています。

市は今年1月、芸術家の移住支援のほか、地元事業者のデザインなどの相談に応じる新拠点を設置しました。市は芸術関係の移住者を3年間で7割増やす目標を示しています。

大分県は、芸術文化への支援が手厚いのです。美術や音楽、演劇、舞踏といった表現活動を振興する催しなど、ソフト事業への県の年間出資額は、人口一人あたり、932円で、都道府県別で3位に入りました。

 

[芸術文化事業費首位、高知県]

 日本経済新聞は、各都道府県の2019年~2021年における芸術文化事業費を、文化庁の資料を基に算出しました。この第一位は高知県でした。高知県では、漫画家が輩出し、「まんが王国・土佐」を掲げています。全国の高校生による「まんが甲子園」は、これまでに32回続いています。県が2020年に設けた「高知まんがBASE」では、作画教室などを開いています。県は漫画文化の土台作りを訴えて、アニメ関連などの「コンテンツ産業(注1)」を誘致しており,企業・個人の参加も始まっています。

 

[政令市と中核市では石川県金沢市が首位]

 政令市と中核市の住民一人当たりの芸術文化事業費を試算したところ、第1位になったのは石川県金沢市でした。石川県金沢市が、第2位の大阪府豊中市を2倍近く引き離して、住民1人あたり事業費で首位でした。

 金沢市が倉庫跡を再生して構築した「金沢市民芸術村」は、演劇や音楽、ダンスなどの練習や発表に使えます。ここでは分野ごとに公募する市民ディレクター(注2)が年2000万円の予算で運営しています。市は「金は出すが口は出さない」姿勢を貫きます。ここでは、やる気のある人に、全て任せるのです

 芸術村内のドラマ工房では「百万石演劇大合戦」と題した演劇祭が11月3日から始まりました。劇団や個人が30分制限で舞台に立ち、観客の投票で12日の決勝に進みます。これは「観客に目当て以外の劇にも興味を持ってもらいたい」と東川清文ディレクター(注2)が企画したのです。

 「落語」で決勝に進んだ、かはづ亭みなみさんは、地元出身の若い女性です。中学3年生の時に芸術村で演劇に出合ったと言っています。東京の劇団で活躍後、3年前にUターンしました。今は、新進気鋭の女性落語家として東京でも高座にあがります。斬新な発想の話芸で注目を集めています。

 芸術村の黒澤伸総合ディレクターは「文化に携わる人材が金沢へ戻るケースが増えている」と感じています。文化に力を入れたことで「金沢には何もない」という若者の意識は大きく変わりました。古民家の再生など街全体に波及効果が出てきています。

 

[この項のまとめ]

 芸術文化政策に詳しい静岡文化芸術大学(浜松市)の片山泰輔教授は「文化の多様性は人を引きつけ、新しい挑戦への寛容性も示す」と指摘しています。国は2020年に文化観光推進法を施行しました。各地の文化資源の掘り起こしを、力強く後押ししています。

 日本経済新聞2023年11月11日、朝刊、2面記事(田崎陸)を参照・引用して記述。

 

[まとめ]

 この研究報告の執筆で参照引用した2023年11月11日の日本経済新聞の朝刊2面の記事には、三つの図表が記載されていました。①芸術文化を柱に地域を活性化する動きが広がる。住民1人あたりの芸術文化事業費(2019年度~2021年度の年平均)。(注)文化庁の資料から算出。②主要都市では金沢が2位の1.6倍。➂全自治体の芸術文化事業費。

 

[図表1]

図表1(注3)は、新聞紙上に日本列島の地図が示されており、これは「芸術文化を柱に、地域を活性化する動きが広がる」と題した図表でした。ここでは住民1人あたりの芸術文化事業費(2019年度~2020年度の年平均)を、「濃い青の斜線、濃い青、青、淡い青」で塗り分けて示してありました。これによりますと、住民1人あたりの芸術文化事業費が、最も大きかった地域は、2019年度~2022年度の年平均で、800円以上の処で、濃い青色に塗ってありました。

これが実現できていたのは、一位高知県、2位佐賀県、3位大分県とこれに鳥取県が続いてました。

 

次に芸術文化事業費が、大きかった地域は「青色の斜線」で示してあった処で「400~799円」の地域でした。これが実現できていたのは、東京都、群馬県、富山県、石川県、島根県、和歌山県、香川県の7都県でした。

一方、1人あたりの芸術文化事業費が基も少ない地域は、「100円未満の処」で、灰色で示してありました。それは以下の地域です。岩手県、福島県、神奈川県、埼玉県、千葉県、栃木県、三重県、熊本県の8県でした。

 

この図表1を見渡してみますと、本州北部岩手県から南部千葉県に到る太平洋岸の地域で、芸術文化事業費の拡大が遅れています。ここで私が驚いたのは、日本国を牽引している首都圏+山梨の8都県の主力4県が、意外に元気がないのです。

神奈川県・埼玉県・千葉県・栃木県が、「100円以下」の最も遅れている地域の中で低迷しているのです。東京都と群馬県は、颯爽と好調ですが。その他の主力4県は、なんとかしなければなりません。

日本国の今後の未来に向けて、極めて重要な芸術文化事業費の拡大には、この4県には、なんとしても牽引者になってもらわねばならないと、私は考えています。国を上げ、国民みんなが一致団結して、支援して行く必要があります。

日本経済新聞2023年11月11日、朝刊、2面記事(田崎陸)を参照・引用して記述。


[図表2]

図表2(注4)は「主要都市では、金沢が、2位の1.6倍」と題した図表でした。これを以下に記します。

 

図表2 主要都市では、金沢が2位の1.6倍

 

      順位 (主要都市)政令市・中核市    住民1人あたりの芸術文化事業

       1  金沢市(石川県)             3034.5円

      2 豊中市(大阪府)            1866.9

      3 富山市(富山県)            1738.3

      4 高崎市(群馬県)             1596.8

      5 北九州市(福岡県)            1022.0

      6 横須賀市(神奈川県)           952.2

      7 久留米市(福岡県)            928.2

      8 仙台市(宮城県)             927.4

      9 豊田市(愛知県)             902.0

     10 山形市(山形県)             839.4

 

 図表2には、主要都市(政令市・中核市)の住民1人あたりの芸術文化事業費が記載されていました。その1位から10位までの金沢市(3034.5円)から、山形市(839.4円)まで、各地で重要な機能を担っている政令市・中核市は、それぞれ一人前の数値を示しています。

 

[図表3]

 図表3(注5)は「全自治体の芸術文化事業費」と題した図表でした。この図表の左側縦欄には「芸術文化事業費の400億円~900億円」の(億円)が記してありました。また、下欄には「2000年度から2021年度まで」の(年度)が記してありました。この縦横軸を用いて「全自治体の芸術文化事業費」を示す折れ線グラフが記されていました。

 

 この全自治体の芸術文化事業費は、2000年度の「500億円」から2002~2003年度の「750億円」にまで、急上昇しましたが、すぐ、600億円前後に急落しました。そして、2014年まで、600億円前後の範囲を、小さい波を伴って推移していました。

 さらに、また2015年には、再び急上昇しました。そして850億円に達したのです。でもこれも、翌年の2016年には、700億円程度に急落しました。そして、その後2021年度まで、700億円~750億円の間で小波を伴った水平飛行を維持しました。

 

 この2000年度~2021年度の全自治体芸術文化事業費は、全体を見れば順調に拡大してきたと言えると思います。でも、2度にわたり発生した急上昇が、どのような理由で発生したのかには、注意して調べて置かねばなりません。私は、今後、他の資料も調査して、その点を解明しておきたいと思います。日本経済新聞2023年11月11日、朝刊、2面記事(田崎陸)を参照・引用して記述。

 

(注1)コンテンツ産業とは:主に映画・アニメ・漫画・ゲームソフトなど、フィクションの創作物を作る産業のことである。これには音楽も含める。経済産業省は「映像(映画、アニメ)、音楽、ゲーム、書籍等の制作・流通を担う産業の総称」と定義している。

 

(注2)ディレクターとは:責任者としてプロジェクトを管理し、チームメンバーの指揮をとる役職である。

 

(注3)日本経済新聞2023年11月11日の朝刊2面に掲載された図表1、①芸術文化を柱に、地域を活性化する動きが広がる。住民1人あたりの芸術文化事業費(2019年度~2021年度の年平均)。(注)文化庁の資料から算出。

 

(注4)日本経済新聞2023年11月11日の朝刊2面に掲載された図表2、②主要都市では金沢が2位の1.6倍。

 

(注5)日本経済新聞2023年11月11日の朝刊2面に掲載された図表3、➂全自治体の芸術文化事業費。

 

(1)日本経済新聞、2023年11月11日(2面)。

[付記]2023年11月27日:

 
 
 

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