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「日本再生]「地域創生」徳島の秘境 欧米客呼ぶ 2024年1月15日 中国は半減 東アジア以外伸び 訪日宿泊 全国8割に回復

  • honchikojisitenji
  • 2024年1月20日
  • 読了時間: 8分

 

続木 碧(つづき あお2024年1月(研究報告№095)

「巻頭の一言」

インバウンド(訪日外国人、注1)の宿泊需要が急回復しています。新型コロナウイルスの水際対策が大幅に緩和された2022年10月から2023年9月までの延べ宿泊者数は、円安もありコロナ禍前の2018~2019年の同期間の約8割でした。突出する東京都を除いても7割近くまで戻りました。中国など東アジアだけに頼らず、収益重視の集客策を探る動きもあるのです。

日本経済新聞2023年12月23日、朝刊、2面記事(高尾泰朗、黒沢亜美)を参照・引用して記述。

 

「日本再生]「地域創生」徳島の秘境 欧米客呼ぶ 中国は半減 東アジア以外伸び 訪日宿泊 全国8割に回復

 

「日本再生]「地域創生」徳島の秘境 欧米客呼ぶ 中国は半減 東アジア以外伸び 訪日宿泊 全国8割に回復

 

ここでは日本経済新聞の2023年12月23日2面の記事を紹介します。

 

[はじめに] 

水際対策の緩和を経た1年間での外国人宿泊者数の回復度を、観光庁の「宿泊旅行統計調査」から分析しました。東京都はコロナ禍前の約1.2倍の2466万人と、全国の宿泊者数の4割近くに達しました。コロナ前は、外国人が少なかった栃木県と高知県も、訪問先の広域化などでプラスとなりました。このほか11府県の宿泊需要が7割以上の回復度を示しました。

国・地域は様変わりしています。足元の2022年7~9月でみてみますと、2019年に35%だった中国の需要は、ほぼ半減しました。同国が日本への団体旅行を8月まで制限し、福島第一原子力発電所の処理水の放水に反対したことなどで、その戻りが鈍いのです。日韓関係の改善で韓国の需要が倍近くに増え、台湾も堅調ですが、香港を含む東アジア4国・地域の割合は53%と、約10ポイント低下しました。

 

[博多港と韓国・釜山港を往復する「クイーンビートル」]

博多港と韓国釜山港を1日1往復する客船「クイーンビートル」は、足元で約2割が日韓以外の乗客という状況で好調です。運行するJR九州高速船(福岡市)は、「米国やドイツ、フランス人の片道での利用が目立つ」と言っています。

 

[福岡県]

 福岡県の外国人宿泊者数の回復度は91.9%で、全国4位でした。つながりの深い韓国など東アジアの旅行者に加え、日韓を巡る欧米客の滞在需要を取り込んでいます。東アジア以外の外国人宿泊客は、2023年7~9月で、2019年同期に比べて37.8%増と伸び率は同じく全国4位でした。

 

[徳島県]

回復度77.2%で9位と健闘する徳島県では、山あいの秘境と呼ばれる祖谷(いや、三好市)地区が、日本の原風景として訪日客を呼び込んでいます。樹木のつるを編んだ渓谷のつり橋「かずら橋」には、紅葉時期が過ぎた12月も外国人の姿がありました。同県は東アジア以外の宿泊者が39.9%増と東京都に次ぎ2位に伸びました。

この地区の5つの宿泊施設は、20年以上前に、既に「大歩危・祖谷いってみる会」を組織していたのです。ここは収容能力があり、シンガポールや欧米、オーストラリアの個人客に重点を置いています。2023年7~9月は、外国人宿泊者が2019年を上回り、東アジア以外の訪日客は4割超でした。

「和の宿、ホテル祖谷温泉」では、「露天風呂付きなどの部屋を中心に、単価を高めて集客することが出来ている」と、運営会社の植田佳宏会長は述べています。

 

[北海道]

外国人宿泊者が4位の北海道では、訪日外国人数の回復度が60.9%にとどまりました。ここでは中国の落ち込みを補えていないのです。北海道は、自然や文化を生かす、欧米で人気の体験型観光「アドベンチャートラベル、(注2)」を、道内で普及させ、集客につなげようと、9月に札幌市内で、国内外の観光関係者らを招き、国際商談会を開きました。

 

[この項のまとめ]

政府は、インバウンド(訪日客、注1)1人当たりの旅行支出額を2025年に20万円と、2019年より25%引き上げる目標を掲げています。観光庁のまとめによりますと、7~9月の観光目的の訪日客の支出額は、欧米やオーストラリアからの訪日客の支出額が30万円以上で、アジアよりも高いことがわかりました。

インバウンド(訪日客)の国・地域を分散できれば、国際関係のリスクを抑え、特定の休暇期間に集中しないなどの点で、オーバーツーリズム(観光公害、注3)の緩和にもなります。中国・香港の旅行者は日中関係に客足が左右され、中国経済の減速懸念もあります。わが国では、宿泊など観光事業者の深刻な人手不足があり、観光客の数を追うだけでなくインバウンドの経済効果を高めることが「観光立国」の成否を握ります。日本経済新聞2023年12月23日、朝刊、2面記事(高尾泰朗、黒沢亜美)を参照・引用して記述。

 

 [まとめ]

  この研究報告の執筆で参照引用した2023年12月23日の日本経済新聞の朝刊2面の記事には、三つの図表が記載されていました。①訪日宿泊者数の回復度には濃淡。(出所)観光庁「宿泊旅行統計調査」。2018年10月~2019年9月と2022年10月~2023年9月の外国人延べ宿泊者数を比較。②東アジア以外の伸び率上位。(注)2019年7月~9月と2023年7~9月の東アジア(中国・台湾・韓国・香港)以外の延べ宿泊者の伸び率。➂中国の落ち込みを他の国・地域が補う。

 

[図表1]

図表1(注4)は、新聞紙上に日本列島の地図が示されており、これは「訪日宿泊者数の回復度には濃淡」と題した図表でした。

ここでは観光庁「宿泊旅行統計調査」の2018年10月~2019年9月と2022年10月~2023年9月の外国人延べ宿泊者数の比較数について、都道府県ごとに、その濃度の濃い順に色分けしていました。すなわち、ここでは、その濃度の濃い順に、4種類の色模様に塗り分けて示してありました。

ここでは、都道府県別にみて、その濃淡の度合を5段階に分けて色分けして示していました。すなわち、ここでは、その濃度の深い順に、「黒緑色、濃い緑色の斜線、濃い緑色、淡い緑色の斜線、淡い緑色に塗り分けて示してありました。

ここでは都道府県別にみて、訪日宿泊数の回復度が最も濃い地域は、「ブラス100%以上」の地域で、黒緑色に塗ってありました。これが実現できていたのは、一位東京都、2位栃木県、3位高知県で、合計3県でした。

次に、回復度の濃度が濃かった地域は、濃い緑色の斜線で示してあった処で、その回復が「80~100%未満」の地域でした。これが実施できていた地域は、京都府、大阪府、福岡県の2府1県でした。

さらに三番目の「60~80%未満」の地域は、濃い緑色に塗ってある地域で、構成メンバーの数が多くなります。ここには入る地域は以下です。

すなわち、北海道、宮城県、福島県、新潟県、茨城県、群馬県、埼玉県、長野県、神奈川県、石川県、和歌山県、広島県、山口県、大分県、熊本県の1道14県の15カ所でした。

 

これ以下は、「40~60%未満」と「20~40%未満」の処で、26カ所がこのクループです。全体の半分以上の55.3%が、回復20~60%未満の出遅れ組です。これは淡い緑色に染めていましたから、日本列島は広く、淡い緑色に見えていました。

 

 

[図表2]

図表2(注5)は「東アジア以外の伸び率上位(全国都道府県における延べ宿泊者数増加率の上位地域)」と題した図表でした。これを以下に記します。

 

図表2 「全国都道府県における延べ宿泊者数増加率の上位地域」

 

      順位     都道府県            増加率

       1    東京都              41.0%

       2    徳島県              39.9

       3    宮崎県              39.8

       4    福岡県              37.8

       5    島根県              34.9

       6    京都府              34.7

       7    佐賀県              34.1

       8    福井県              28.2

       9    石川県              27.5

      10    千葉県              26.3

       

 この図表2は、2015年7~9月と2023年7~9月の間における「延べ宿泊者数増加率の上位の地域(都道府県)」のベスト10を記したものです。この10カ所を広く通観してみますと、全国各地に幅広く分布しています。

なお、これは、東アジア(中国・台湾・韓国・香港)は除外しています。

 

 

[図表3]

図表3(注6)は「中国の落ち込みを他の国・地域が補う」と題した図表でした。これを以下に記します。

 

 

図表3 「中国の落ち込みを他の国・地域が補う」

 

        市場占有率  

         80%


___________________

    米国

  ___________________ __________________

        60   香港           米国

                -----------------------------   __________________

               韓国 香港

                   -----------------------------   __________________

                     台湾           韓国                   40                       

              ___________________        

 __________________

            

      中国(32%)

台湾

20              __________________

                            


中国(18%)



  0   ---------------------------- -----------------------------


                2019年       2023年

 

この図表3(注6)は、2019年には32%を占めていた中国の市場占有率が、2023年には、18%ほどに低下しましたので、台湾・韓国・香港・米国が、市場占有率を少しずつ高めて、それをカバーしている状況を示しています。日本経済新聞2023年12月23日、朝刊、2面記事(高尾泰朗、黒沢亜美)を参照・引用して記述。

 

(注1)インバウンド(訪日外国人):コンピュータネットワークや通信分野における「外から中へ」の意。「ツーリズム 」: 観光旅行、周遊、観光事業、旅行業務。インバウンドツーリズム:外から中への観光旅行、外国人の訪日旅行、訪日旅行客。

 

(注2)アドベンチャートラベル(以下AT)とは、「自然とのふれあい」「文化交流」「フィジカルなアクティビティ」のうち、ふたつ以上の要素を持つ旅行のことである。その土地ならではのユニークな体験、自己変革、健康、挑戦、文化や自然に対してローインパクトといった体験価値を提唱し、旅行を通じた地域貢献を重要視する層からも支持されている。人と自然と文化を大切に、地域の日常との関わりを重視するATは、北米・欧州・豪州を中心に拡大し、世界に広まりつつある。そして、自然の中での非接触型アクティビティや体験価値を高めながらローインパクトを実現するために少人数であることも多いことから、アフターコロナにおける旅行スタイルとしても注目を集めている。

 

(注3)オーバーツーリズムとは:特定の観光地で訪問客の著しい増加が、市民生活や自然環境、景観などへの負の影響を与えたり、旅行者の満足度も大幅に低下させたりするような、観光の状況のことを指す。観光公害とも言われる。

 

(注4)日本経済新聞2023年12月23日の朝刊2面に掲載された図表1、①訪日宿泊者数の回復度には濃淡がある。(出所)観光庁「宿泊旅行統計調査」。2018年10月~2019年9月と2022年10月~2023年9月の外国人延べ宿泊者数を比較。

 

(注5)日本経済新聞2023年12月23日の朝刊2面に掲載された図表2、②東アジア以外の伸び率上位。(注)2019年7月~9月と2023年7~9月の東アジア(中国・台湾・韓国・香港)以外の延べ宿泊者の伸び率。

 

(注6)日本経済新聞2023年12月23日の朝刊2面に掲載された図表3、➂中国の落ち込みを他の国・地域が補う。

 

(1)日本経済新聞、2023年12月23日(2面)。

[付記]2024年1月15日:

 
 
 

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