「日本再生]「地域創生」子育て支援 ソフト磨く 2024年1月8日「広場」で相談 家事代行も 180都市調査 千葉県松戸1位
- honchikojisitenji
- 2024年1月8日
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続木 碧(つづき あお) 2024年1月(研究報告№095)
「巻頭の一言」
少子化が加速するなか、子育て支援の充実で「選ばれる地」を目指す自治体が広がっています。保育施設などハードの整備には一定のメドがつき、出産・子育て世帯の要望にきめ細かく応えるソフト施策を重視する姿が目立ちます。日本経済新聞社と日経BPの情報サイト「日経xwoman」が主要都市のサービス内容などを調査・採点したところ、2023年は千葉県松戸市が2年ぶりにトップになりました。日本経済新聞2023年12月16日、朝刊、2面記事(桜井祐介、丹田拡志、堀尾宗正、日経xwoman、小田舞子)を参照・引用して記述。
「日本再生]「地域創生」子育て支援 ソフト磨く 「広場」で相談 家事代行も 180都市調査 千葉県松戸1位
「日本再生]「地域創生」子育て支援 ソフト磨く 「広場」で相談 家事代行も 180都市調査 千葉県松戸1位
ここでは日本経済新聞の2023年12月16日2面の記事を紹介します。
[はじめに]
調査は政令指定都市や県庁所在地、人口20万人以上都市など180市区を対象に2023年9~10月に実施し、157市区から回答を得ました。認可保育所の入りやすさや学童保育への取り組みなど44項目を採点し、「共働き子育てしやすい街ランキング」を作成しました。
[千葉県松戸市]
千葉県松戸市は、妊産婦向けの支援や保育の質など、多くの項目で高得点でした。親子で遊んだり、専門知識のある職員と話したりできる「親子DE広場」などの整備が代表的な取り組みです。孤立した妊産婦も気楽に訪れて様々な悩みを相談できます。駅周辺などに28カ所展開しています。
保育所などを利用していない2歳未満の子供がいる家庭や妊婦を対象に、家事支援サービスも8月に始めました。ヘルパーが家庭を訪ねて、家事などを支援すると同時に、育児の相談にも応じます。児童1人につき年40時間を上限に、1時間500円で利用できます。
2024年2月に第4子を出産予定の清水友華里さん(33)は、水回りの清掃や食事の準備などで月に2回ほど利用しています。「産休や育休中は大人と話す機会が減ります。家事の負担が減って助かるうえ,話し相手も出来て、これは大助かりです」と笑顔です。
妊婦36週以降の検診に使うタクシーの費用も1回3000円まで補助します。里帰り出産時も利用できます。松戸市、子ども政策課の鈴木知宏課長は、「周囲に頼りやすくする仕組みを整えて社会全体で子育てできる環境を提供したい」と話しています。
[栃件県宇都宮]
共働き家庭などの増加で、小学生を預かる放課後児童クラブ(学童保育)のニーズも高まっているのです。2位の栃木県宇都宮市は、一定の条件を満たせば小学校3年生までの希望者全員が学童保育に入ることができます。7割の学童保育が夏休みなどの長期休暇中に昼食を提供し、親の負担を軽くしています。
[兵庫県神戸市]
兵庫県神戸市は、2022年の調査の36位から4位へと大きく順位を上げました。保育インフラの充実度や質の向上(注1)などが高得点だったのです。子育て世帯が無料で遊べる施設を充実させており、3階建ての大型児童施設「こべっこランド」も2月にリニューアルオープンしました。6月には、市内の全ての区に育児相談や親子での交流ができる拠点を整備しました。「子育て世帯を応援するために、市民以外でも利用できるようにしています」と神戸市のこども未来課は言っています。
[この項のまとめ]
学習院大学の秋田喜代美教授は「松戸市など上位の自治体は、独自調査で子育て世帯のニーズを把握し、きめ細かな支援に努めている」と指摘しています。その上で、妊産婦支援や学童保育の整備など子育てのステージに応じて、連続的に支援する必要があるとしています。地域再生エディター(桜井祐介、丹田拡志、堀尾宗正、日経xwoman、小田舞子)を参照引用。
[まとめ]
この研究報告の執筆で参照引用した2023年12月16日の日本経済新聞の朝刊2面の記事には、二つの図表が記載されていました。①共働き子育てしやすい街 2023年ランキング、(注)カッコ内は2022年順位。得点は100点満点。②最近3年間の上位自治体の推移。(注)調査項目や配点は年によって異なる。
[図表1](注2)は「共働き子育てしやすい街 2023年ランキング」と題した図表でした。これを、以下に記します。
図表1 「共働き子育てしやすい街 2023年ランキング」
2023年順位 2022年順位 自治体名 得点
1 (2) 千葉県松戸市 84
2 (5) 栃木県宇都宮市 83
3 (3) 愛知県豊橋市 82
4 (36) 兵庫県神戸市 81
5 (4) 東京都羽村市 80
6 (1) 東京都豊島区 79
7 (24) 千葉県市川市 77
8 (12) 宮城県仙台市 76
8 (16) 福島県福島市 76
8 (9) 福岡県北九州市 76
11 (12) 神奈川県厚木市 74
12 (31) 北海道札幌市 73
12 (55) 千葉県千葉市 73
12 (8) 東京都板橋区 73
12 (31) 東京都福生市 73
12 (25) 京都府京都市 73
12 (9) 大阪府堺市 73
18 (12) 東京都青梅市 72
18 (-) 新潟県長岡市 72
(注)カッコ内は、2022年の順位。得点は100点満点。
図表1には、「共働き子育てしやすい街 2023年ランキング」の第1位から18位までが、列記されていました。これは日経が独自に工夫した採点表の得点によります。( )記は,2022年の順位です。この1~5位の自治体名(市区)は、この2年間、基本的には同じメンバーです。しかし、2022年に首位であった東京都豊島区は、2023年には5位以内からは,消えています。これに代わり2022年に36位だった兵庫県神戸市が4位に大躍進しました。この急拡大には、驚くべぎものがあります。
[図表2](注3)は、「最近3年間の上位自治体の推移」と題した図表でした。これを以下に示します。
図表2 「最近3年間の上位自治体の推移」
順位 2021年 2022年 2023年
1 [千葉県松戸市] 東京都豊島区 [千葉県松戸市]
2 [栃木県宇都宮市] [千葉県松戸市] [栃木県宇都宮市]
3 千葉県浦安市 愛知県豊橋市 愛知県豊橋市
4 - 東京都羽村市 兵庫県神戸市
5 北九州市など3市 [栃木県宇都宮市] 東京都羽村市
(注)調査項目や配点は、年によって異なる。
「子育てしやすい街づくり」で2021年に1位、2位だった千葉県松戸市(1位)、栃木県宇都宮市(2位)は、2022年に3、5位に転落しましたが、2023年には、また、1~2位に復活しました。図表2は、2021年から2023年までの3年間、上位5市区が、どのような状況であったのかを見るために書いた図表です。
この3年間でみますと、千葉県松戸市、栃木県宇都宮市、愛知県豊橋市、兵庫県神戸市、
東京都羽村市が、「子育てしやすい街づくり」の全国レースの先陣争いを進めていますが、この先,どのような展開になるのかは、今の段階ではまだ、良くわかりません。大躍進の神戸市が注目されていますが,今、人々を驚かせている神戸市が、瞬く間に、普通の存在になりそうなのです。それほど、今、日本社会の変動は著しいのです。
これまで多くの地域が「出来るだけみんなを参加させて」と言っていたこの活動を、神戸市は「中学2年までの全学生に参加を義務付ける」と参加義務化を明言しているのです。この活動の重要性が、皆に見えてきていますので、突如として各地で、これが爆発的に始まるのではないかと、私は予感しています。
地域再生エディター(桜井祐介、丹田拡志、堀尾宗正、日経xwoman、小田舞子)を参照引用して記述。
(注1)保育のインフラの充実度や質の向上:保育インフラを充実させ、その質を向上させていくには、保育士が働く環境を整えていく必要があります。それには、以下の実施が必須です。①保育士が働く環境を一つずつ確実に整備する。②適切な人数を雇う、②賃金を上げる、➂残業を減らす、④人間関係を改善する、⑤復帰制度を整える、⑥研修制度を充実させる。
(注2)日本経済新聞2023年12月16日の朝刊2面に掲載された図表1、①共働き子育てしやすい街 2023年ランキング、(注)カッコ内は2022年順位。得点は100点満点。
(注3)日本経済新聞2023年12月16日の朝刊2面に掲載された図表2、②最近3年間の上位自治体の推移。(注)調査項目や配点は年によって異なる。
(1)日本経済新聞、2023年12月16日(2面)。
[付記]2024年1月8日:
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