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森林は使われ方で変わる


福島の磐梯熱海温泉に行った際に宿泊したホテルから見た裏山の写真です。常緑樹と落葉樹の対照が森を美しく見せる季節ですね。確認したわけではないですが、葉を茶色くしているのはかなりが欅ではないかと思います。欅は太い柱など建築用材として重宝されてきた木です。田舎家の大黒柱、寺社の普請などには欠かせません。山に生える欅は周りとの競争で苦労して通直に伸び、ゆっくりと育って、材質は比較的柔らかく加工しやすい特徴があり、工芸品にも適しています。山欅、赤欅などと呼ばれ、材質の堅い里欅、青欅、石欅(良い環境ですくすく育ったものが多い?)とは異なります。同じ欅でも欅それぞれです。欅は地域で特に普請に使うために、大事にストックされてきたものと思われます。薪や炭焼きに使われるのではなく、普請用に大径になるまで伐られずにおかれてきたものなのではないでしょうか。欅の下には柴と呼ばれる下層の木があって、日々の燃料などに使われていたものと思います。山の中をこのように上下で使い分けし、薪や炭焼きに使われる楢を主とした落葉広葉樹林とは別に使い分けていたのではないでしょうか。そのようなところは薪炭が使われなくなるとスギやヒノキを植林したのでしょう。欅は植林もできますが、土地を選び、条件に合わないところではうまく育たないようです。そんな土地のところは写真のように常緑広葉樹が生えているのかもしれません。森を使い尽くして生きてきた人々からバトンを渡された森のように思います。これからどう使い、また次へとバトンを渡すのが良いのでしょうか。


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