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木造の建物と焼失した木密地域の復興

  • honchikojisitenji
  • 2023年2月26日
  • 読了時間: 2分

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糸魚川市に出張してきました。

これは6年ちょっと前の糸魚川大火で焼失した被災地に再建された木造の市営住宅です。


被災地は木造建物の密集した地域でした。戦後の復興に際し、焼夷弾の爆撃などで焼け野原となった市街地に無秩序に簡易な木造の住宅・建物が接近して建てられました。そのことで、昭和26年から34年にかけて繰り返し都市の不燃化に関する決議が政府や国会、学会で決議されました。そのような建物が建て替わる際にも敷地が限られる狭小な地域に木造建物が密集して建てられた市街地だったのです。このことは、耐震、耐火両面で都市の防災の課題になってきました。

糸魚川の大火で、木造建物が密集することの防火上危険性が改めて話題になりました。当然、木造は危険だとの意識が生まれても仕方のないことだったのですが、市は一般コンペの末、この地域の復興住宅として木造のアパートを建てることを選択したのです。戦後間もないころとは技術、求められる性能の基準が違います。木造でも防災上危険のない木造の建物は建てられるのです。木造は燃える、怖い、危ないという意識を乗り越えて、糸魚川産のスギを活かし、安心して住める建物で、愛着を持てるまちの景観をつくるという地域の創生のための拠点として、木造アパートを選択した設計者、市当局のほか関係者の皆様に拍手です。

 この建物は4年前の令和元年3月に完成し、令和元年度のウッドデザイン賞や木材利用優良施設コンクール審査委員会特別賞を受賞されました。

 
 
 

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