[日本再生]世界の「大都市東京」における「新地域創生」(その2) 2022年10月12日 人口が多い東京都を地産地消の視点から 海水魚陸上養殖の近未来新産業の牽引に期待
- honchikojisitenji
- 2022年10月15日
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続木 碧(つづき あお) 2022年10月(研究報告№002)
☆本研究の標題について
近年、日本近海の漁獲量が減少しています。この対策として全国で、養殖漁業が拡大しています。近未来の2030年には、養殖漁業の漁獲が漁船漁業を上回るだろうと、新聞は予測しています。海のない内陸県で海水魚の養殖が続々と成功しており、次世代に向けて有望な産業になると期待されています。このような状況の中で、大きな需要を抱え、地産地消で有利な立場にある「大都市東京(注1、東京・神奈川・埼玉・千葉)」が、「陸上海水魚養殖」の新産業での注目の牽引者になると、私は予想しています。
一方、東京都内で、海水魚陸上養殖が始まったという情報には、まだ接していませんが、中長期的に見れば、最大人口を持つ東京都は鮮魚需要も最大で、地産地消の視点からみて極めて有利な東京都の海水魚の陸上養殖事業は、近次世代の重要戦略になると、私は感じています。ここでは最高の鮮度の養殖海水魚が、最少の運賃で届けられるはずなのです。それで、この報告の標題は、「東京都の海水魚陸上養殖の近未来新産業の牽引に期待」としました。
[日本の誇る世界の「大都市東京」この地における「新たな地域創生(その2)」
この報告の主要な内容は、世界に誇る日本の「大都市東京(注1、東京・神奈川・埼玉・千葉)」の陸上養殖海水魚養殖事業についての報告です。以下に報告します。
[調査研究報告(新聞記事紹介文)]
[陸上養殖海水魚養殖事業]
ここでは日本経済新聞の2022年6月18日(岩崎喜行執筆)および同日(久保田皓喜、兼谷将平、上野正芳、桜井祐介執筆)の記事を紹介します。
[陸上養殖海水魚養殖事業]
[埼玉県]
埼玉県の最北端に位置する神川町。県内を中心に温浴施設の運営を手掛ける温泉道場の「おふろcafe白寿の湯」に、2021年10月、サバの陸上養殖場が設置されました。海がない埼玉県で、おいしく新鮮なサバがたべられるようになると話題になり、地域活性化に向けた期待が高まっています。
養殖場には3基の水槽や濾過装置を備えられています。開設当初に投入したサバの稚魚は順調に育っています。今年4月に稚魚を追加投入し、2023年5月には、出荷第1号が市場に出る見込みです。
海のサバにはアニサキスがいることがあるため、生食は勧められないのですが、管理された設備で育つ養殖サバは生で食べられるのが強みです。温泉道場の担当者は、「日々水質管理に努め、質の高い養殖サバを提供したい」と意気込んでいます。
[群馬県]
埼玉県と同様に海がない群馬県でも、太陽光発電の建設を手掛けるジースリー(同県伊勢崎市)がウナギを養殖しています。前橋市内の1万6000平方メートルの敷地に、複数の水槽が入ったハウス施設3棟と太陽光発電所、蓄電システムを備えています。汲み上げた地下水を太陽光発電で温めることで、養殖池をウナギの生育に最適な温度に保ちます。
2019年から飼育を開始しました。現在は30万匹のウナギを養殖しています。伊勢崎市内にウナギの加工場も新設し、2022年8月に稼働させる予定です。金子史朗社長は、「ウナギを収益源にしたい」と意気込み、地域の名産品を目指しています。2022年6月18日の日本経済新聞(岩崎貴行)が、この記事を書いていました。
[志賀県]
滋賀県甲賀市でも、民間業者がトラフグやヒラメなどの養殖を始めています。寄生虫やウイルスの影響を避ける狙いで、人工海水を使用しています。さらに、養殖魚の糞尿などを分解するバクテリアで、養殖水を浄化し、養殖用水を繰り返し使用することで周辺環境に悪影響を及ぼす排水を出さないのです。すなわち、ここでは関係者が、一致団結して養殖漁業を推進しています。2022年6月18日の日本経済新聞(久保田皓喜、兼谷将平、上野正芳、桜井祐介)が、この記事を書いています。
[まとめ]
漁業界では、最近は毎年、沿岸漁業の不振が続いており、その延長線上で、近未来の魚類資源の枯渇が危惧されています。それに対する対応策として、漁船漁業から養殖漁業への転換が、積極的に進められています。各地で様々な工夫がなされており、「徹底的に売れる商品(養殖魚)作り」を目指して各地が切磋琢磨しています。
この研究報告は、「大都市東京(注1)」が、「新たな地域創生」を目指す視点の発見を直視して記述していますが、私は、今の現実では、まだ創出されていない、「大都市東京(注1)」における中心都市「東京都内」の「陸上海水魚養殖事業」も、ポストコロナ後の「新地域創生」の重要事業になると睨んでいるのです。鮮魚は鮮度が命です。ですから、徹底的に地産地消にするべきです。ですから、私は、最大需要の存在地「東京都」も、「陸上海水魚養殖事業」のメッカ(注2)になるはずだと確信しているのです。
東京都がこの事業領域のリーダーなって、はじめて、この研究報告シリーズのメインテーマである「山間地域とは別の地域創生」。大都市で新しい地域を創出する「新地域創生」の開幕となるのです。
(注1) 大都市東京:私が、「日本の誇る大都市東京」と呼ぶ地域は、単に、東京都だけでなく、これを囲む地域である神奈川県、埼玉県、千葉県までも広く含めている。
(注2) メッカ:イスラム教第一の聖地。転じて,ある分野の中心地や発祥地。また,あこがれの地。
参考資料
(1) 日本経済新聞、2022年6月18日(岩崎喜行執筆)。
(2) 日本経済新聞、2022年6月18日(久保田皓喜、兼谷将平、上野正芳、桜井祐介執筆記事)。
[付記]2022年10月12日。


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