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[日本再生]「地域創生」高専「実践の知」(その1)2022年12月28日 「高専実践の知」が先端を走る

  • honchikojisitenji
  • 2022年12月28日
  • 読了時間: 7分

続木 碧(つづき あお) 2022年12月(研究報告№028)

「地域創生」「高専実践の知」 (その1)

[調査研究報告本文(新聞記事紹介文)]

「地域創生」高専「実践の知」(その1)「高専実践の知」が先端を走る

ここでは日本経済新聞の2022年10月29日2面の記事を紹介します。

[はじめに]

高等専門学校(高専)の役割の裾野が広がっています。技術の実践教育を担う教育機関として、制度創設から今年で60年です。当初は中堅技術者を養成する役割に重点が置かれていたものの、近年では宇宙開発など最先端研究や起業支援にも注力しており、地域を活性化させる人材を輩出する拠点としての重要性が増大しています。(参考資料1、2022年10月29日の日本経済新聞の2面(山下宗一郎、山崎哲也)を参照引用して記述)


[高等教育を受けている学生のうち高専生の占める割合]

 文部科学省の2021年度「学校基本調査」から、各都道府県で、大学の学部、大学院、短期大学、高専で高等教育を受ける学生のうち、高専生が占める割合をランキングしたところ、大都市のない地方ほど高くなりました。最も高かったのは三重県で、13%超でした。19%以上は香川県など5県あり、全都道府県の3分の1強で高専生が5%以上を占めました。


[日本のモノづくりの現場を支えてきた高専は地方ほど存在感が大きい]

 高度経済成長期の1962年、産業界からの要請を受けて制度が生れ、日本のモノづくりの現場を支えてきた高専は、地方ほど存在感が大きいのです。2021年度の時点で国公市立が57校あり、学生数は5万7000人いました。2022年度の国立の高専入学者は、前年度より83人多い9665人と、学生の人気も安定しています。


[人工知能・ロボットなど新時代に求められる分野を高専に追加]

 国も高専の可能性を再評価しています。国の2022年度国立高専の運営交付金予算額は、2013年度比7%増の625億円でした。文科省は人工知能(AI)やロボットなど「新たな時代に求められる分野」に関する内容をカリキュラムに導入することを掲げました。


[三重県鈴鹿市]

 三重県鈴鹿市の鈴鹿工業高専の末次正寛副校長は「職業訓練校から高度の教育を与える場に」と述べておられます。同校は、2018年に、校内に中小企業との共同研究を想定した専用スペース「産学官協働研究室」を開設しました。新商品開発を希望する企業の担当者が同校を訪れ、ニーズに対応できる学科の教員や学生と共同で研究開発します。今年10月までに、三重県や岐阜県、東京都など7社と自動化技術や装置の開発で連携しました。


[群馬県前橋市・高崎市]

 群馬県前橋市の群馬工業高専は、宇宙開発分野に力を入れています。同校初の挑戦として、2022年10月に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げたロケットに登載した人工衛星「KOSEN―2」の本体や部品は、学生と教員が製作しました。

 衛星の向きを変えるのに不可欠なモーターは、県内の老舗機械メーカー、小野塚精機(群馬県高崎市)と組み開発しました。同校の平社信人教授は、「国や大学が主導してきた分野に、高専でも挑めることを証明した」と誇っています。


[岩手県一関市]

 学生が起業に力を入れるのは、一関工業高専(岩手県一関市)です。2018年から全学年の学生を対象に「起業家人材育成塾」を開催しています。地元企業のトップらを講師に招き、起業を志す学生に、自身の経験やノウハウを伝授してもらっています。

 同校の学生が立ち上げた地域課題解決のための団体は、高齢者にわかりやすいデジタルの防災マップの作成など、自治体や起業家から約20件の案件を請け負っています。明石尚之副校長は、「起業を通じて自分のスキルを生かそう思う学生が増えれば」と期待しています。


[高専新設の動き、徳島県神山町、滋賀県野洲市]

 高専を新設する動きも広がっています。徳島県神山町では、19年のぶりの新設高専となる私立「神山まるごと高専」が2023年春に開校します。滋賀県も2027年春に、同県初の高専の開校を目指し、2022年9月に設置場所を同県野洲市に決めました。(参考資料1、2022年10月22日の日本経済新聞の2面(山下宗一郎、山崎哲哉)を参照引用して記述)


[まとめ]

この研究報告の執筆で参照引用した2022年10月22日の日本経済新聞2面の記事には、二つの図表が掲載されていました。①高等教育を受ける学生に占める高専生の比率(図表1、注1)。②各地域ブロックにおける高専生の数と比率(図表2)。


 図表1は、この新聞紙上に、日本列島の地図が示されており、2021年度における都道府県別の高専生の比率が青色の濃淡で塗り分けて示してありました。

高等教育を受ける学生のうち高専生が最も多い地域は、高専生10%以上の処で、最も濃い黒青色で示してありました。この高専生の数が10%以上の処は、三重県、鳥取県、島根県、山口県、香川県の5県でした。

 次に高専生の比率が多かったのは、5%以上10%未満の処で、岩手県、秋田県、山形県、宮城県、富山県、福井県、和歌山県、徳島県、愛媛線、高知県、宮崎県、鹿児島県の12県でした。この合計の17県が、高専生の数が多い自治体(県)です。


 この図表を見渡してみますと、東京・大阪・京都・名古屋の大都市を除くと全国くまなく各地で、現場目線での高度技術を推進する、高専生の意欲のある若者が続々と育っています。私はこの若者達にこの上ない期待を寄せています。


図表2では、日本列島を北海道から九州までの8ブロックに分け、各ブロックごとの高専生の数と高専生の比率を表にして示していました。ここでは、この高専生の比率について、それの多い順に並べ変えて表として示しました(改変図表2)。これを以下に示します。


改変図表2 各地域ブロックにおける高専生の比率のランキング


高専生の比率の多いブロックの順位          高専生の比率

1位 四国(香川、愛媛、徳島、高知)    8.44%

2位 中国(鳥取、島根、岡山、広島、山口)     4.69

3位 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島) 4.41

4位 北海道                    3.74

5位 九州・沖縄(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄) 3.59

6位 中部(新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知

   三重)                            2.83

7位 関西(大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山          0.94

8位 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川       0.61


(注記)文部科学省の2021年度「学校基本調査」を基に作成。比率は大学の学部、大学院、短期大学、高等専門学校の合計学生数に占める高専生の割合。高専がない埼玉、神奈川、山梨、滋賀、佐賀の学生数も母数に含めた。


 高度経済成長期に制度が生れ、日本のモノづくりの現場を支えて来た高等専門学校(高専)は、今や、地方ほど存在感が大きいのです。その後、人口減少社会を迎え、日本各地の「地域」は、経済活動の低迷に苦しんで来ました。この中で、現場の視点に立ち、工業技術を磨いてきた高専は、地域の立派な柱に育ってきたのです。

 近年は、宇宙開発などの最先端技術にも参入し、人工知能(AI)やロボットなどの「新たな時代に求められる分野」の開拓に、大きく貢献し始めています。

 高専は、これまで国の研究機関や大学が主導してきた、この新しい分野に、モノづくりの実務的技術の根をしっかりと張ってきたのです。これからは、さらに一層、日本の産業を支えている重要な存在である「中小企業」と連携して、世界を主導する未来の社会の構築にむけて、牽引集団の中心になって行くでしょう。

 首都圏においては、神奈川県、埼玉県、山梨県に、まだ、工業専門学校がありませんが、官民が力を合わせ、早急に設立して育成を図るべきです。未来にむけて、今、確保している予備費予算を振り向けて、積極的に動くべきです。

 これまでは「国立」が中心でしたが、これからは「私立」の高専も重要な存在になって行くと思われます。日本国も日本企業も、日本人全員も、力を合わせて、この「金の卵」を力強く育て上げて行きましょう。みなさん、一緒に頑張りましょう。(参考資料1、2022年10月29日の日本経済新聞の2面(山下宗一郎、山崎哲哉)を参照引用して記述)


(注1)日本経済新聞2022年10月29日(2面)に掲載された図表「①高等教育を受ける学生に占める高専生の比率」。注記、文部科学省の2021年度「学校基本調査」を基に作成。大学の学部、大学院、短期大学、高等専門学校の合計学生数に占める高専生の割合。

(注2)日本経済新聞2022年10月29日(2面)に掲載された図表「②各地域ブロックにおける高専生の数と比率。」改変図表2、各地域ブロックにおける高専生の比率ランキング。注記、文部科学省の2021年度「学校基本調査」を基に作成。比率は大学の学部、大学院、短期大学、高等専門学校の合計学生数に占める高専生の割合。高専がない埼玉、神奈川、山梨、滋賀、佐賀の学生数も母数に含めた。


[参考資料]

(1) 日本経済新聞、2022年10月29日(2面)。


[付記]2022年12月28日。

 
 
 

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