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[日本再生]「地域創生」地方副業、関東+山梨8都県でも地方副業が拡大 2023年1月13日  自治体が仲介の活用を後押し ITなど企業の苦手を補う

  • honchikojisitenji
  • 2023年1月13日
  • 読了時間: 8分

続木 碧(つづき あお) 2023年1月(研究報告№034)

「巻頭の一言」

地方副業(注1)とは、都市部に居住する高度のスキルを持った人材が、都市部に住み仕事を続けながら、移住せず、地方の仕事を助ける副業活動のことです。これにより、全く新しい視点で事業を見つめ直すことが出来るのです。この副業者の支援を受けた地域は、次世代の視点を、急速に獲得することができます。

「地域創生」地方副業、関東+山梨8都県でも地方副業が拡大 自治体が仲介の活用を後押し ITなど企業の苦手を補う

[調査研究報告本文(新聞記事紹介文)]

「地域創生」地方副業、関東+山梨8都県でも地方副業が拡大 自治体が仲介の活用を後押し ITなど企業の苦手を補う

ここでは日本経済新聞の2022年11月12日43面の記事を紹介します。

[はじめに]

高度なスキルを持つ都市部の人材が地方の企業で働く「地方副業(注1)」は、関東・山梨8都県でも広がっています。ここでは地元企業の活性化を狙い、自治体や金融機関が仲介に乗り出すケースが目立ちます。IT(情報技術)関連など地元に乏しい分野の人材を活用でき、関係人口の創出にもつながってます。(参考資料1、2022年11月12日の日本経済新聞の43面(本田幸久、桜井豪、岩崎貴行、桜井芳野)を参照引用して記述)


[関東+山梨8都県で地方副業を募集する企業数]

 仲介するみらいワークスとパーソナルキャリアのデータ(2022年8月時点)によりますと、関東・山梨8都県で「地方副業(注1)」を募集する企業の数は、2018年以降の累計で、群馬県が84社で最も多く、全国でも7位でした。千葉県が78社、埼玉県が58社で続きました。


[群馬県 富岡市]

 群馬県富岡市の文房具メーカー、加藤金属工業は、神奈川県の男性と契約し、2022年春から月に2日、副業人材として働いてもらっています。クラウドファンディング仲介運営会社への勤務経験を生かし、写真共有アプリ「インスタグラム」の活用で助言を受けたところ、ほぼゼロだったフォロワーが1000人ほどに増えました。「うまく後押ししてもらったのです」と同社の加藤暢宏専務は話しています。

 富岡市は、しののめ信用金庫(富岡市)や、みらいワークスと組み、2021年7月から副業人材の活用を促進する事業を進めています。3年間に60社の利用を目指しており、これまでに製造業を中心に20社が利用しました。

 事業は、信金中央銀行が富岡市に寄付した1000万円を原資にスタートしました。しののめ信金が地元企業に事業を紹介し、未来ワークスが発信している仲介サイト「スキルシフト」に求人情報を掲載します。サイトへの掲載費用や副業人員が企業を訪ねる際の交通費を市が補助し、副業人材に市内で使える5000円分の商品券を贈るのです。富岡市の担当者は「富岡市に足を運んで関係人口の一躍も担ってもらいたい」と話しています。


[栃木県 那須町]

 栃木県那須町にある温泉宿「芦野温泉」は、2022年6月から副業人材に、新しいホームページの立ち上げを手伝ってもらっています。サイト製作会社との交渉に必要な知識を持つ従業員が自社内にいないため、メインバンクの足利銀行に相談したところ、副業人材の活用を提案されたのです。副業で働きはじめた小野秀一郎さんは、横浜市在住の会社経営者です。芦野温泉が求めるイメージを聞き取り、設計に落とし込んで製作会社に伝えます。芦野温泉の益子和男社長は「業者からの提案内容と見積りの妥当性の見極めもしてもらっている」と助言を頼りにしています。

 ITなどの専門人材をフルタイムで抱えるのは、地方の中小企業にとって負担が重いのです。益子社長は「短い間だけ専門知識が必要な場合、副業人材の活用は非常に有効だ」と語っています。


[埼玉県 川越市・北本市・長瀞町・行田市・羽生市・横瀬町]

 埼玉県は副業を希望する首都圏の会社員やフリーランス(注2)を県内に呼び込み、テレワークしながら副業として地域活性化などに関わってもらう事業に取り組んでいます。

 2021年度は、川越市や北本町、長瀞町の地域活性化プロジェクトに、ウェブサイトの企画開発を手掛けるPILOT(東京・千代田)など5社と、フリーランス3人が参加しました。2022年度は行田市や羽生市、横瀬町の地域課題解決に、副業人材を積極的に活用しています。

 横瀬町では人材マッチングを手掛けるアナザーワークス(東京・渋谷)と連携して副業人材3人を採用しました。地元農産物を使った新たな商品開発などに取り組んでいます。 

 埼玉県地域政策課の担当者は「市町村と会社などを仲介することで、関係が構築されて、交流人口の拡大につながることを期待している」と述べています。


[千葉県 千葉市]

 千葉市は市内の中小企業を対象に、専門的なスキルを持つ「副業プロ人材」の活用を支援しています。事業を受託する監査法人が企業の課題を聞き取り、必要な人材を分析します。求人票の作成を支援し、人材もマッチング(注3)するのです。さらに、マッチング後も、定期的に進捗を確認してサポートします。

 新商品開発や市場開拓、デシタルトランスフォーメーション(DX、注4)推進などで、中小企業の成長を促します。市は副業プロ人材のデーターベース利用料やコンサルタント費用を負担します。2022年10月に、同年度の採択企業を決定し副業プロ人材の募集も開始しました。(参考資料1、2022年11月12日の日本経済新聞の43面(本田幸久、桜井豪、岩崎貴行、桜井芳野)。


[まとめ]

この研究報告の執筆で参考引用した2022年11月12日の日本経済新聞43面の記事に、図表が一つ記載されてていました。①関東・山梨の地方副業(注1) (図表1、注5)。


図表1では、関東・山梨8都県での地域副業(注1)活動における募集企業数と応募者数が、表形式で表記してありました。これは以下のとおりです。


図表1 関東・山梨の地方副業(注5)


都県          募集企業数        応募者数

群馬県         84社          1614人

千葉県         78           1377

埼玉県         58           1074

茨城県         24            286

東京都         21            238

栃木県         13            296

山梨県         11            152

神奈川県         6            147

(注)2022年8月時点。副業解禁の2018年以降の累計の仲介

データを集計


この図表1で、募集企業数で一位になったのは群馬県でした。その群馬県では富岡市が「地方副業(注1)」を最も積極的に実施していました。同市では、東京・神奈川などの都市部に住み、先駆的な企業で先端的な仕事をしている人をスカウトして、次世代に向けた先導的な事業を具体的に進めてもらっています。

以下に、地方副業(注1)を、富岡市の具体例で示します。まず、次世代の先進的な仕事への改革に、意欲を持つ企業の候補を選びます。その中で、人材のスカウトを実施する決意を決めた企業の数が、表中の募集企業数です。

本文の事例紹介に出てきた企業、文具メーカー、加藤金属工業がその実例です。そして同社は、写真共有アプリ「インスタグラム(注6)」を開発してくれるスペッシャリストを探すことになりました。この事例では、この仕事のスペッシャリストが、神奈川県在住の男性でした。ここでは、この人が表中の応募者数の中の一人です。そして、インスタグラム(注6)の利用体制の構築は、見事に成功したのです。フォロワー(注7)が1000人に急増しました。大成功です。

このプロジェクトの成功の鍵になったのは、富岡市での有力地方銀行の住金中央銀行だったのです。結局この事業が成功に至った原点は、同銀行が、このプロジェクトに1000万円を寄付してくれたことでした。

これは富岡市のブロジェクトの担当者が、しののめ信用金庫(富岡市)と、みらいワークスと組んで進めてきたプロジェクトの企画が、基本的に成功だったのです。そして、みらいワークスが発信している仲介サイト「スキルシフト」が持っている強力な情報発信力が、大きな力になりました。


図表1で第二位になった千葉県千葉市には、市内の中小企業を対象に、専門的なスキルを持つ「副業プロ人材」を活用する体制を構築し、これを熱意を持って推進する部署があります。ここには、専門的なスキルを持つ「副業プロ人材」を育てる専門家がいます。求人表を作成し、人材のマッチング(注3)もします。また、マッチング後も定期的に進捗を確認します。さらに、この部署は、新商品開発や市場開拓、デシタルトランスフォーメーション(注4)などで地域の中小企業の成長を促します。特にDX(注4)は重要です。それはDXが、ITテクノロジー等を駆使して企業の事業業績や対象範囲を根底から変化させるからです。

結局、DXの進化が歩む道である「地域副業」の活動は、次世代の地域創生を果たす企業とって、欠かすことのできないものなのです。千葉県千葉市は、この活動の牽引者になって行こうとしています。私は凄く期待しています。(参考資料1、2022年11月12日の日本経済新聞の43面(本田幸久、桜井豪、岩崎貴行、桜井芳野)を参照引用して記述)


(注1)地方副業 : 移住・転職せずリモートで貢献できる働き方。副業:収入を得るために携わる本業以外の仕事。兼業、サイドビジネスとも呼ばれる。

(注2)フリーランス(freelance):特定の企業団体組織に専従しておらず、業務委託により自らの技能を提供する。社会的に独立した個人事業主である。

(注3)マッチング:組み合わせること。調和させること。複数のデータを突き合わせて照合すること。

(注4)デシタルトランスフォーメーション( digital transformation:DX):「情報技術の浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という仮説。2004年にスウェーデンウメオ大学教授、エリック・ストルターマンが提唱した。ビジネス用語としては定義・解釈が多義的ではあるものの、おおむね「企業がテクノロジー(IT)を利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」という意味合いで用いられる。なお、本用語はビジネス用語としては一般的に「DX」と表記される。英語の接頭辞「trans-」には「across(を超えて)」という意味があり、「DX」と表記されることが多い。

(注5)日本経済新聞、2022年11月12日の43面(本田幸久、桜井豪、岩崎貴行、桜井芳野)に掲載れた図表「①関東・山梨の地方副業。注記、2022年8月時点。副業解禁の2018年以降の累計。みらいワークスとパーソナルキャリアの仲介データを集計。

(注6)インスタグラム(Instagram):メタ・プラットフォームズが所有するアメリカの写真・動画共有ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)。ケビン・サイストロムマイク・クリーガーによって作成された。2010年10月にiOSでサービスが開始。2012年4月にAndroid版がリリース。2012年11月には機能限定のデスクトップ向けインターフェイス、2014年6月にはFireに向けけたアプリケーション、2016年10月にはWindows10のアプリケーションがリリースされた。開発者2人は共に既に退任している。

(注7)フォロワー:インスタグラムのフォロワーとは、特定のアカウントのファンになっている状態。今後も投稿を閲覧したいと感じた気になるアカウントのフォロワーになることで、そのアカウントの投稿のチェックが容易になるフォロワー:ある特定のユーザーをフォローしている人のこと。


[参考資料]

(1) 日本経済新聞、2022年11月12日(43面)。

[付記]2023年1月13日。

 
 
 

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