top of page

[日本再生]「地域創生」地図情報、行政DXの要に2023年3月24日 岐阜・大垣 空き家・防災に活用 「統合型」1099自治体導入

  • honchikojisitenji
  • 2023年3月24日
  • 読了時間: 8分

続木 碧(つづき あお) 2023年3月(研究報告№053)

「巻頭の一言」

 地理情報上に、さまざまな付加価値情報を付加し、社会・産業・企業を画期的に変革していくデシタルトランスフォーメーションを、急速に実現させていく、見事な大変革が急速に展開し始めました。今、日本全土で社会・産業・企業の、生産性の高い、無駄の少ない、コストの安い、合理化が進んだ姿への急激な変革が、開始されています。これは統合型地理情報システム(GIS、注1)による改革です。


「地域創生」地図情報、行政DXの要に 埼玉県小鹿野町「バイク専用」の環境整う 秩父 民間主導で人気加速

 


[調査研究報告本文(新聞記事紹介文)]

「地域創生」地図情報、行政DXの要に 埼玉県小鹿野町「バイク専用」の環境整う 秩父 民間主導で人気加速

ここでは日本経済新聞の2023年2月11日2面の記事を紹介します。


[はじめに]

自治体が、税務や都市計画などの部署ごとに、バラバラに整備してきた地図の統合を加速しています。行政デジタルトランスフォーメーション(DX、注2)の要の一つで、全国1741市区町村の6割が導入しました。無駄を省きシステム管理費を20分の1に圧縮したケースもあります。市区町村別活用度は、まちづくり政策に生かす岐阜県大垣市が首位となっています。(2023年2月11日の日本経済新聞の2面(瀬口蔵弘、西堀卓司、斉藤美保、松隈美帆)を参照引用して記述)。


[岐阜県大垣市]

 総務省の自治体DX・情報化推進概要によりますと、統合型GDS(注1)導入済み市区町村は、2021年4月の時点で、1099自治体となりました。2011年度から7割増加しました。「連携業務数」や「部局を越えた政策判断に活用しているか」などの「利活用」を基に、日経が独自のランキング付けをしたところ、岐阜県大垣市の得点が170点で、全国トップでした。

 都道府県平均(対象は都道府県を含む計1788自治体)は、茨城県(57.7点)岐阜県(40.4点)が上位になりました。全国平均は23.5点に止まり、導入自治体の間でも活用度に、大きなばらつきがありました。

 岐阜県大垣市は、庁舎内で都市計画関連など12の地図を連結しました。住民票情報などを統合したことで、住宅課による空き家調査業務にも使えるようにしました。世代別人口分布も一目瞭然に管理でき、高齢者が増えるシュミレーションなどにも活用します。

 さらに過去の豪雨・台風災害での浸水実績や南海トラフ地震が発生した際の液化危険度の予測図などとも統合し、避難計画策定や住宅整備など、部局を越えて、横断的なまちずくり政策の立案に役立てます。


[共有化を目指す動きも進む 岐阜県・茨城県]

 自治体の境を超えて共有化を目指す動きも進みます。先行する岐阜県や茨城県は、県と県内の全自治体が、統一システムを導入したことで、コスト削減につなげました。岐阜県は、一括運用によって、計42市町村が独自に導入した維持管理費に比べて、各自治体の負担分を平均20分の1の50万円に抑えました。茨城県は、固定費算出用の航空写真をまとめて発注し、コストを約4分の1としました。

 統合型の必要性が強く認識されたのは、1995年の阪神大震災です。日本は200年前の伊能図に代表されるように、かねてから高い精度の地図を作成してきました。しかし、行政内で多様な地図が乱立してきたため、災害時に消火栓位置などの基本情報の把握の遅延につながり、広域支援に支障をきたしました。

 国は2002年「GISアクションプログラム」を策定し、自治体内における部門横断的なGIS(注1)の導入を進めました。2007年には地理空間情報活用基本法を施行し、その整備を後押ししました。


[新潟県 柏崎市]

 新潟県柏崎市は2007年の中越沖地震時にも水道の復興や仮説住宅の場所選定などで連携に課題が残ったことを踏まえ推進を加速し、全国2位の活用度となりました。平時から全職員でデータを整備・更新しています。

 住民が転居してきた際は即座に地図上で子供や障害者の有無などが分かるようにして避難の支援につなげます。災害の発生時に、心停止などが起きた場合に自動的に心蘇生を進める装置である「自動体外式除細動器」の設置場所やイノシシの目撃情報など、一部は市民にもデータを開放しました。


[この項のまとめ]

 慶応義塾大学教授で地理情報システム学会会長の厳網林氏は「GIS(注1)は行政効率化に直結するほか、住民の有無や世代によって広報スピーカーの音量まできめ細かく調整する福島県会津若松市のように、サービス向上の意味でも、推進の意味は大きい」と指摘しています。

 一方で1990年代に「情報スーパーハイウエー構想」を掲げ、連邦政府主導で全土で情報共有化を進めた米国を引き合いに「住民情報は再生の鉱脈です。個別自治体内だけでなく他の自治体との連携も模索する必要があります」と話しています。(2023年2月11日の日本経済新聞の2面(瀬口蔵弘、西堀卓司、斉藤美保、松隈美帆)を参照引用して記述)。


[まとめ]

この研究報告の執筆で参照引用した2023年2月11日の日本経済新聞2面の記事には三つの図表が記載されていました。①「統合型GISの活用度にはばらつきがある、図表1、注4)。」②「活用度が高い自治体(図表2、注5)」。③「導入は全体の6割、1099自治体度に。」(図表3、注6)。


図表1(注4)では、新聞紙上に日本列島の地図が示されており、都道府県ごとの統合型GIS(注1)の活用度を青色の濃淡で塗り分けて示してありました。都道府県別でみて、統合型GISの活用度が最も高い処は、その活用度が40点以上の処で、最も濃い青色(黒青色)で示してありました。このランク1の処は、岐阜県、茨城県、京都府の1府2県でした。次いで統合型GISの活用度が高い処は、活用度が30点以上40点未満の処で、岩手県、新潟県、富山県、神奈川県、静岡県、愛知県、滋賀県、大分県の8県でした。結局、統合型GISの活用度が高い処(ランク1~2)は1府10県でした。

これを全国の視点でみますと、統合型GISの活用度が高い自治体(都道府県)は、北海道、四国、中国地方を除いて、全国に広く分布していました。一方、この活動で最も遅れていた地域(第4ランク、0%以上10%未満)は、北海道と四国の徳島県でした。


この活動が熱心に実施されるようになったのは、ごく最近のことです。でも、全国を俯瞰してみますと、順調に立ち上がっています。統合型GIS(注1)の活用で、自治体(都道府県ならびに市区町村)の職員の作業の効率は著しく向上し、作業日数・作業時間も短縮し、日本国の社会や産業・企業の抜本的な合理化をを進展させるDX(注2)も確実に進展させているのです。一部では、驚異的な生産性向上・コストダウンが達成されました。また、ここで日本の根元の力を支えている「中小企業」については、官民が総力を結集しこれを支援して行かねばなりません。


 図表2(注5)は、「活用度の高い自治体」と題した図表であり、統合型GISの活用度の高い市区町村を、「統合型GISの活用度の得点」の高い順に示してありました。これを以下に示します。


図表2 活用度の高い自治体              


  順位    市区町村          活用度の得点

   1    岐阜県大垣市        170点                

   2    新潟県柏崎市        144

   2    岐阜県高山市        144

   4    福島県郡山市        136

   4    岐阜県美濃加茂市      136

   4    大阪府豊中市        136

   7    川崎市           128

   7    山口県下関市        128

   9    京都府宇治市        126


(注)利用度とは、利用している部署の数(最大18)整備方法・活用状況

 (最大11項目)を掛け合わせて算出。出所は総務省。


 この図表2を眺めていて、以下のことに気がつきました。市区町村欄に、出てきたのは、全て市で、区および町・村は上位9カ所の中には現れませんでした。最高得点を得たのは、岐阜県大垣市、2位は新潟県柏崎市と岐阜県高山市でした。岐阜県は、4位にも美濃加茂市が入っており、1~4位の6地域の中で4カ所を占めています。全国の都道府県の統合型GISの活用では、岐阜県が突出していました。


 図表3(注6)は、「導入は全体の6割、1099自治体に」と題した図表であり、横軸に2010年度~2021年度の年度を取り、縦軸に0~1200自治体数を取った折れ線グラフが書かれていました。図表は、2010年度の600カ所から2021年度1099カ所に向って右肩上がりで登っていました。

全国の多くの産業・企業が大きく毀損したコロナ禍のもとでの2010年から2021年までの11年でしたが、GSIの導入は、全般としては順調に進展していました。しかし、まだ、立ちおくれている処も多いのです。国をあげ、業界・産業・企業をあげて、立ち遅れている処を、お互いに支援し支え合って、体制づくりを強力に進めましょう。(2023年2月11日の日本経済新聞の2面(瀬口蔵弘、西堀卓司、斉藤美保、松隈美帆)を参照引用して記述)。


(注1)統合型の地理情報システム(GIS:Geographic Information System):地理情報および付加情報をコンピュータ上で作成・保存・利用・管理・表示・検索するシステムを言う。人工衛星、現地踏査などから得られたデータを、空間、時間の面から分析・編集することができ、科学的調査、土地、施設や道路などの地理情報の管理、都市計画などに利用される。コンピュータの発展にともなって膨大なデータの扱いが容易になり、リアルタイムでデータを編集したり、シミュレーションを行ったり、時系列でデータを適時に表現するなど、従来の紙面上の地図では実現不可能であった高度な利用が可能になってきている。


(注2)デシタルトランスフォーメーション(digital transformation:DX):「情報技術の浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という仮説。2004年にスウェーデンウメオ大学教授、エリック・ストルターマンが提唱した。ビジネス用語としては定義・解釈が多義的であるが、おおむね「企業がテクノロジー(IT)を利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」という意味合いで用いられる。なお、本用語はビジネス用語としては一般的に「DX」と表記される。英語の接頭辞「trans-」には「across(を超えて)」という意味があり、「DX」と表記されることが多い。

デジタルトランスフォーメーション(Di+gital Transformation):企業がAI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術を用いて、業務フローの改善や新たなビジネスモデルの創出だけでなく、基幹システムからの脱却や企業風土の変革をも実現させることを意味する。


(注3)自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator, AED):心停止の際に機器が自動的に心電図の解析を行い、心室細動を検出した際は除細動を行う医療機器除細動器の一つであるが、動作が自動化されているため施術者が非医療従事者でも使用できる。


(注4)日本経済新聞2023年2月11日(2面)に掲載された図表1「①「統合型GISの活用度には、ばらつきがある」)(図表1、注4)。」


(注5)日本経済新聞2023年2月11日(2面)に掲載された図表2「②「活用度の高い自治体」(図表2、注5)。


(注6)「日本経済新聞2023年2月11日(2面)に掲載された図表3「③導入は全体の6割、1099自治体に」、(図表3、注6)。


[参考資料]

(1) 日本経済新聞、2023年2月11日(2面)。

[付記]2023年3月24日。

 
 
 

最新記事

すべて表示
しばらく休止します

ブログの更新をしばらく休止します。 今後、どうしようか、ちょっと考えてみます。

 
 
 

コメント


持続的な地域の創造

©2022 持続的な地域の創造。Wix.com で作成されました。

bottom of page