[日本再生]「地域創生」ライダー集う街づくり2023年3月20日 埼玉県小鹿野町「バイク専用」の環境整う 秩父 民間主導で人気加速
- honchikojisitenji
- 2023年3月20日
- 読了時間: 6分
続木 碧(つづき あお) 2023年3月(研究報告№052)
「巻頭の一言」
この研究報告は、「バイクツーリング(注1)」による地域経済拡大の第2編です。
「地域創生」ライダー集う街づくり 埼玉県小鹿野町「バイク専用」の環境整う 秩父 民間主導で人気加速
[調査研究報告本文(新聞記事紹介文)]
ライダー集う街づくり 埼玉県小鹿野町「バイク専用」の環境整う 秩父 民間主導で人気加速
ここでは日本経済新聞の2023年2月4日39面の記事を紹介します。
[はじめに]
関東・山梨の8都県でもバイクツーリズム(注1)の人気が高まっています。経路検索大手、ナビタイムジャバン(東京・港)のバイク専用経路検索「ツーリングサポーター」のデータでは、2022年1月~10月に、バイクで旅する人(注2、ライダー)が目的地として入力したスポット(注3)は、群馬県が2019年同期比25.5%増、山梨県が25%増となりました。バイクを軸にした観光誘客や街づくりを進める動きが広がっています。(2023年2月4日の日本経済新聞の39面(本田幸久、岩崎貴行、仲村宗則、松永高幸)を参照引用して記述)。
[埼玉県小鹿野町]
検索数が48%伸びた埼玉県小鹿野町は2007頃から、「バイクのまち」を掲げた地域振興に取り組んできました。自然豊かな山間部の秩父地域にあり、都内から日帰りできる距離で、週末には愛好者が運転するバイクが数百台集まるのです。バイクツーリズム(注1)を振興する団体「ウエルカムライダーズおがの」の強矢立家代表は「バイクに詳しい専門家が少ない行政ではなく、民間主導で取り組んでいることが成功の要因です」と話しています。町内には、「バイク神社」と呼ばれる小鹿神社、歴史的建築物を改修したバイクカフェ、秩父の事業者が考案した「バイク弁当」、バイク専用の駐車スペースなど、バイクで立ち寄りやすい環境が整っています。小鹿野の魅力を、バイクで旅する人(注2、ライダー)の視点から紹介する「おがのモトガールズ」という3人組も活動しています。新型コロナウイルス禍では、活動が制限されましたが、「おがのライダー宿(じゅく)」という大規模イベントは、毎年開催してきました。強矢氏は「小鹿野といえばバイクというイメージが定着しつつある」と手応えを感じています。
[群馬県みどり市]
検索頻度が52%伸びた群馬県みどり市で、バイクで旅する人(注2、ライダー)の人気が高いのが、栃木県日光市へと抜ける国道122号です。この道は、観光トロッコ列車で知られる渓谷鉄道に沿って走っています。走行途中、渡良瀬川をせきとめて1977年にできたダム湖の草木湖を、一望できます。同県観光物産国際協会の担当者は、「ダムがSNS(交流サイト)などで『映える』と、人気になっているようです」と説明しています。草木ダムの近くで「ライダーの聖地」になっているのが、湖畔にある民営の草木ドライブインです。土産物店や食堂、トイレなどがあり、休憩に最適です。駐車場が広いこともあり、週末には数十台のバイクが集まり、バイクで旅する人達(注2)の「オフ会」が開かれています。常務の水野直人さんは、「コロナの感染拡大前は、チームが多かったのですが、最近は一人で訪れる人が増えています」と話しています。
[山梨県道志村]
検索サイトで全国最多の「ツアーの目的地(注3、スポット)」となっているのが山梨県道志村の「道の駅どうし」です。東京・神奈川方面から富士山麓の山中湖へ抜ける国道413号(愛称道志みち)の途中にあります。富士山へ向う景色が良い峠道が人気ルートで、道の駅には多くのライダー(注2)が立ち寄って休憩や交流を楽しみます。「道の駅の来場者数は、コロナ前には、年間80万人に達していました。村への経済効果は大きかったのです」と、道志村の産業振興課は言っています。一方、道志みちでは交通事故も多発しています。道の駅で安全運転の啓発イベントを開催しています。
[神奈川県南足柄市]
検索伸び率が3.9倍と、市区町村別で全国10位だったのが神奈川県南足柄市です。2021年4月には同市と箱根町を結ぶ県道731号(愛称・箱根金太郎ライン)が開通し、バイクで旅する人達の人気を集めています。同ラインは全長0.9キロ、金時山の東側を通る県道として整備されました。途中に「金時見晴らしパーキング」があり、足柄の山々が望めます。
「箱根の玄関口」とアピールする南足柄市は、東名高速道路大井松田インターチェンジから同ラインへ向う途中に、道の駅「足柄・金太郎のふるさと」を新設しました。年間60万人以上が訪れており、市は「道の駅」を拠点に足柄地域の回遊性を高めたい」としています。(2023年2月4日の日本経済新聞の39面(本田幸久、岩崎貴行、仲村宗則、松永高幸)を参照引用して記述)。
[まとめ]
この研究報告の執筆で参照引用した2023年2月4日の日本経済新聞39面の記事には、一つの図表が記載されていました。①ツーリング目的の検索が増えた関東・山梨の8都県(2022年)(図表1、注4)と題し、関東・山梨の8都県のツーリング目的の検索の増減率(この各地は全て増加)(%)の大きい順に並べ、全国順位、都県名、増加率を列記して示していました。これを以下に示します。
図表1 ツーリング目的の検索が増えた関東・山梨の8都県(2022年)
全国順位 都県 増減率
14 群馬県 25.5(%)
15 山梨県 25.0
21 東京都 21.0
24 埼玉県 19.6
25 神奈川県 18.9
28 千葉県 18.3
36 栃木県 10.0
43 茨城 5.7
(注)2022年1~10月の2019年同期比増減率。ナビタイムジャパン
の経路検索実績を集計。
この図表1を眺めていましたら、私は、以下のことを痛感しました。ツーリング検索が増えた自治体を都道府県別に見たとき、増加率が全国的にみて特に高い自治体は、1都8県内にはありませんでした(参考資料2、注5参照)。すなわち、関東・山梨の8都県の内6都県は、ツーリング改革の進捗度は中程度でした。でもこの6都県は、増減率で25.5~18.7%増で肩を並べており、充実度は高く頑張っていました。
本報告の本論で述べましたように、市区町村別に見ると、大変優れた地域が出てきているのです。埼玉県小鹿野町、群馬県みどり町、山梨県道志村、神奈川県南足柄市は、このツーリング改革を先導してきた牽引者です。「秩父地域での民間主導での人気の加速」などは、全国各地に学んでもらわなければならない、優れた活動実績です。
一方、バイクツーリングの推進は、参加ライダー(注2)の平均年齢が髙くなってきていることから、経済的な拡大効果が期待されてきているのです。日本経済全体が、コロナで大きな打撃を受けた中で、バイクツーリングの情熱と力は、この困難と直面し乗り越えてきたのです。ですから、バイクツーリズム(注1)によって、ポストコロナでの日本再成が達成できると、私は大いに期待しています。
首都東京を含む1都8県では、この地域に住む人達の力量には、まだ、まだ、余裕があります。伸びしろがあります。新星石川県が走りだした新しいツーリング改革の流れに、東京部隊が、ついて行けば、大きな日本の改革の風を、吹き起こすことができると思います。今は、まさに転換点です。みんなで頑張りましょう。私も頑張ります。
(注1)バイクツーリング=英語の正式な呼び方ではモーターサイクル・ツーリング(motorcycle touring)、あるいはオートバイ (モーターバイク)でのツーリング (ツアー)のこと。オートバイを移動手段として利用して、いくつかの景勝地や観光地を訪れることである。オートバイに乗って走ること自体を楽しむために、いくつかの景勝地や観光地を目的地に設定して「旅」という形に仕立ててオートバイで走ることの総称である。日本語ではバイクツーリングと言う。バイクツーリズム:バイクツーリングの考え方、方法、理論。
(注2)ライダー:バイクに乗る人。バイクで旅する人。
(注3)スポット: 1点をピックアップすること。たくさんある物の中から散在しているピンポイント的な対象を探し出す。スポットな場所:絞り込んだ場所。目的地として入力したスポット:目的地として絞り込んで入力した場所。ツアーの目的地・目的ルート=スポット。
(注4)日本経済新聞2023年2月4日(39面)に掲載された図表1「①「ツーリング目的の検索が増えた関東・山梨の8都県(2022年)(図表1、注4)。」
(注5)日本経済新聞2023年2月4日(1面)に掲載された図表1「①「ツーリング目的の検索が増えた都道府県(2022年)(図表1、注5)。」
[参考資料]
(1) 日本経済新聞、2023年2月4日(39面)。
(2) 日本経済新聞、2023年2月4日(1面)。
[付記]2023年3月20日。


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