[日本再生]「地域創生」サッカーワールドカップの三苫選手・田中選手の出身地川崎市熱狂 2023年1月20日 クリアソン新宿 国立競技場で1万6000人集客
- honchikojisitenji
- 2023年1月20日
- 読了時間: 10分
続木 碧(つづき あお) 2023年1月(研究報告№036)
「巻頭の一言」
この報告は、サッカーワールドカップでの日本国民の熱狂の渦と日本チームの大健闘についての報告の第2報です。
「地域創生」サッカーワールドカップの三苫選手・田中選手の出身地川崎市が熱狂 東京都新宿区ホームのクリアソン新宿 国立競技場で1万6000人集客
[調査研究報告本文(新聞記事紹介文)]
「地域創生」サッカーワールドカップの三苫選手・田中選手の出身地川崎市が熱狂 東京都新宿区ホームのクリアソン新宿 国立競技場で1万6000人集客
ここでは日本経済新聞の2022年12月3日41面の記事を紹介します。
[はじめに]
サッカーワールドカップカタール大会のスペイン戦で予選突破の決勝点を決めた田中碧選手とアシストした三苫薫選手は、ともに川崎市立鷺沼小学校出身。幼なじみの2人が所属するフロンターレ(同市)は、2022年のホームゲームの平均入場者数が2014年比で7.7%増の1万7939となりました。また、Jリーグ入りを目指すクリアソン新宿(東京・新宿区)など、首都圏に本拠地を置くサッカーチームが、地域住民とつながる活動に力を入れています。(参考資料1、2022年12月3日の日本経済新聞の41面(名波彰人、牛山知也、岩崎貴行、松隈美帆)を参照引用して記述)
[川崎フロンターレの集客成功は ホームゲームのイベントの企画力]
多くのJ1、J2のチームが観客数を減らすなか、フロンターレが集客に成功している理由の一つに、等々力陸上競技場のホームゲームでの企画力があるとされています。2022年6月にSDGs(持続可能な開発目標、注1)をテーマにしたイベントを開催しました。鉋屑(かんなくず)やワックスを利用したワークショップ(注2)、英語による表現学習などを実施しました。
2022年9月には、タイの「メッシ(注3)」と呼ばれるチャイナティップ・ソングラシン選手の故郷のタイの魅力を伝えるイベントを開催しました。タイ料理店や音楽演奏、三輪タクシー「トゥクトゥク」、市場体験など、川崎市在住タイ人らが参加して盛り上がりました。
吉田明宏社長は「サッカーに興味ない人も含め、より多くの地域の方に楽しんでもらい、フロンターレとの接点を持ってもらえるようにしている」と話しています。選手は地域の清掃活動や商店街のイベントに参加し、市内の公立小学校で、選手が登場する「算数ドリル」が使われるなど、選手と市民が交流する「市民クラブ」として地域に深く根付いています。サッカーワールドカップの際の川崎市民の興奮は、単に、スペインでの劇的な勝利の立役者になった三苫薫選手、田中碧選手が、川崎市の小学校の卒業生だったことだけではないのです。これだけの平素からの活動の積み上げがあったのです。
[クリアソン新宿]は都23区を拠点にするクラブのJリーグ入りを目指す]
東京都では、日本フットボールリーグ(JFL)のクリアソン新宿が、東京23区を拠点とするクラブとして初のJリーグ参入を目指し、活動を広げています。立教大学のサッカー部出身の丸山和大最高経営責任者(CEO)が2013年に運営会社を創業したチームです。運営会社のクリアソンはチームの運営に加え、体育会の学生と企業を結ぶ人材支援、スポーツを用いた企業研修などの事業を展開しています。社員として働きつつ練習と試合をこなす選手も多いのです。
幅広い活動内容が認められ、2020年には、地元新宿区と包括連携協定を締結し、スポーツ振興や健康づくり、多文化共生などに取り組んでいます。練習や試合の場所が限られる都会のチームとして苦労しつつも、徐々にファンや選手を獲得しました。2022年10月9日には区内にある国立競技場での試合開催が実現しました。JFLで過去最多となる1万6000人を集客しました。クリアソン新宿の担当者は、人口が多く市場が大きい23区内を本拠地としていることに、大きなポテンシャルを感じている」と話し、チームの成長に期待しています。
[浦和レッズの[レッズランド育みパートナー]は子供を対象とした地域活動]
浦和レッズは2022年度、子供を対象にした地域活動に協賛する企業や団体を募る「レッズランド育みパートナー」制度を導入しました。新型コロナウイルス禍で地域と連携する活動も制限を余儀なくされてきましたが、2022年度は行動制限がほとんどなくなり、地域活動を本格的に再開しました。
育みパートナーは、地元企業や病院、保育園関係など13団体が参加しています。2022年5月には、さいたま市内のスポーツ施設「レッズランド」キッズフェスタ(注4)を開催しました。サッカーのキックやドリブル、また大縄跳び、お絵描きコーナーなどを用意し、子供や保護者など450人が楽しみました。レッズの担当者は、「育みパートナー」の導入で地域の子供向けイベントがやりやすくなった」と話しています。
[鹿島アントラーズ[クラブの発展のためには 地域発の世界に通じる人材が必要]
鹿島アントラーズ(茨城県鹿島市)は、「クラブの発展のためには、地域発の世界に通用する人材が必要」とし、行政連携チームでの学校との連携に力を入れています。2021年からホームタウン鹿島市の小学校でアントラーズを題材にゲームのプログラミングの授業を、延べ25校で実施しています。選手紹介の動画や英語教材を提供しています。学校教育を通じて、地元の人達と身近な存在になることで、集客につなげて行こうとしています。(参考資料1、2022年12月3日の日本経済新聞の41面(名波彰人、牛山知也、岩崎貴行、松隈美帆)を参照引用して記述)
[まとめ]
この研究報告の執筆で参考引用した2022年12月3日の日本経済新聞41面の記事には図表が一つ記載されていました。①JFL以上でホームタウン人口に占める入場者数比率を増やしたサッカーチーム(図表1、注5)。2014年比。
図表1(注5)には、JFL以上でホームタウン人口に占める入場者数比率(2014年比)を増やしたサッカーチームにおけるチーム名、メインのホームタウン、2022年リーグ戦入場者総数、入場者総数のホームタウン人口比について、表に表記してありました。これを以下に示します。
図表1 JFL以上でホームタウン人口に占める入場者数比率を
増やしたサッカーチーム
チーム名 メインのホーム 2022年リー 入場者総数の
タウン グ戦入場者総数 タウン人口比
クリアソン新宿 東京都新宿区 2万5856人 7.4%
FC町田セルビア 東京都町田市 6万8107 15.8
川崎フロンターレ 神奈川県川崎市 30万4971 19.8
東京武蔵野ユナイテッドFC 東京都武蔵野市 1万581 7.9
Y.S.C.C.横浜 神奈川県横浜市 2万1981 0.6
(注)J.league Data StatsとJFL公式記録より作成。人口は2020、2015年の国勢調査。
この表にとりあげられた5チームの中では、川崎フロンターレがタウン人口比での入場者総数増加率がダントツでした。また、東京23区をホームにする有力チームの出現が、永きにわたり期待されていましたが、クリアソン新宿が期待に応えてくれそうです。東京23区は、意識レベルの高い人口の密集地ですから、ここで地域住民とサッカーチームとの緊密なコミュニケーションが醸成され、熱烈な感情が育ってくれば、日本全体のサッカー熱の急成長に資するところは多大なはずなのです。
日本でも今や、サッカーチームは全国に広く広がって割拠し、ファンの熱意も旺盛になってきました。国際サッカー連盟によりますと、前回のW杯ロシア大会では、世界の総人口の半数以上にあたる35億7200万人が、サッカーの試合を観戦していたのです。
今回も世界の人々はサッカーに熱狂しました。サッカーワールドカップカタール大会でも、世界の人々は激しく感動し、世界各地は、この上なく盛り上がりました。日本人にとっても、世界の強豪国スペインを撃破した田中碧選手と三苫薫選手の奇跡のゴールの瞬間には、皆で歓喜の抱擁をし、躍り上がりました。この瞬間は感動の一瞬として、長く人々の心の中に温く残っていくことでしょう。
これは世界のどの国にも、自国のエースの演じてくれたあの劇的な瞬間があったのです。皆が感動の輪のなかにいたのです。世界のどこの国でも、あの劇的な瞬間には、人々の心は感動と歓喜でつながっていたのです。すなわち地域のサッカーでの感動と歓喜の輪は、世界の人々の心を繋ぎました。サッカーの歓喜・スポーツの歓喜は、世界各地の地域との距離を縮めるのです。人々の間の熱烈な心のつながりを形成していくのです。この歓喜と興奮の時間を大切にして、未来の幸福社会の構築につなげて行きましょう。(参考資料1・2、2022年12月3日の日本経済新聞の2面(瀬口蔵弘、諸岡良宣、古宇田光敏)ならびに同紙41面(名波彰人、牛山知也、岩崎貴行、松隈美帆)を参照引用して記述)
(注1)持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals):2015年9月25日に国連総会で採択された、持続可能な開発のための17の国際目標である。その下に、169の達成基準と232の指標が決められている。
(注2)ワークショップ:学びや創造、問題解決やトレーニングの手法。参加者が自発的に作業や発言をおこなえる環境が整った場において、ファシリテーターと呼ばれる司会進行役を中心に、参加者全員が体験するものとして運営される形態が一般的である。会場は森や原っぱから、公共ホールや、スタジオ、美術館やカルチャースクール、ビルの1室、学校の教室を利用するなど様々である。語源である英語のこの語は、本来は作業場や工房を意味するが、現代においては参加者が経験や共同作業したり対話をしながら、スキルを伸ばす場の意味を持つようになっている。具体的には、ものづくり講座、音楽ワークショップや演劇ワークショップのような身体表現における学習と作業参加の場や、各種体験セミナー、科学や技術教育、人権教育のような各種教育ワークショップのようなものがある。
(注3)メッシ=リオネル・アンドレス・メッシ・クッシッティーニ:アルゼンチン・ロサリオ出身のサッカー選手。リーグ・アン・パリ・サンジェルマンFC所属。アルゼンチン代表。ポジションはフォワード。FCバルセロナおよびアルゼンチン代表の出場数、得点数、アシスト数の最多記録保持者。
(注4)レッズランド・キッズフエスタ=レッズランドのキッズフエスタ:レッズランド(RedsLand):埼玉県さいたま市桜区に浦和レッズが創設した総合スポーツクラブ。2005年創設。キッズフエスタ:以下に示すような福祉介護商品などを展示・販売等を行うこと。車椅子、座位、・立位・臥位保護具、クッションベルト、歩行器・杖、福祉車両など。
(注5)日本経済新聞2022年12月3日(41面)に掲載された図表「①JFL以上でホームタウン人口に占める入場者数比率を増やしたサッカーチーム(2014年比)」(注)J.Leage Data StateとJFL公式記録より算出。人口は2020年、2015年の国勢調査
(注6)サッカーチームクリアソン新宿(Criacao Shinjuku): 東京都新宿区を本拠地とするサッカークラブで、Jリーグ加盟を目指すクラブの一つ。代表の丸山和大が立教大学4年の時に、大学のサッカーサークルから引退して引き続きサッカーを続ける場所としてフットボールクラブCriacao(クリアソン)として創設したのが起点。多彩な活動をしており、サブチームとしてアカデミーチーム、フットサルチームなどを持つ。2020年11月に、新宿区との間で「スポーツ振興」「学校と地域との連携」「多文化共生」「健康寿命延伸・健康づくり」の包括連携協定が結ばれた。巨大な人口を擁する首都23区をホームとする本格チームへの成長が期待されている。
(注7)サッカーチーム川崎フロンターレ: 神奈川県川崎市をホームタウンとする日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟するプロサッカークラブ。2020年に3回目のリーグ優勝、4試合を残してJ1史上最速優勝を達成。2021年にリーグ戦が38試合に増えたにも関わらず28勝8分2敗と最少敗戦記録を更新した。1955年に富士通サッカー部として創部。1999年にJリーグへ加盟。ホームスタジアムは中原区の等々力陸上競技場。人口に占める入場者数比率を増やしたサッカーチームとしてダントツ首位となった。
(注7)サッカーチームFC町田セルビア: 東京都町田市をホームタウンとする日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟するプロサッカークラブ。1977設立のFC町田のトップチームとして1989年に創設された「FC町田トップ」が前身。人口に占める入場者数比率を増やしたサッカーチームとして2位になった。
(注8)東京武蔵野ユナイテッドFC: 東京都をホームタウンとする日本フットボールリーグ(JFL)に所属するサッカークラブ。武蔵野市を拠点とする。1939年創設の横河電機サッカー部を源流とする。
(注9)サッカーチームY.S.C.C.横浜:神奈川県横浜市をホームタウンとして、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟しているサッカークラブ。クラブのルーツはメキシコオリンピック後の1964年に発足した「横浜・中区スポーツ少年団」。
[参考資料]
(1) 日本経済新聞、2022年12月3日(41面)。
[付記]2023年1月20日


コメント