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[日本再生]「地域創生」 渋谷の創作サウナ多彩に 023年3月13日 体包む蒸気 音にもこだわり 栃木・那須では廃校活用 牛乳タンクで水風呂

  • honchikojisitenji
  • 2023年3月13日
  • 読了時間: 7分

 

続木 碧(つづき あお) 2023年3月(研究報告№050)

「巻頭の一言」

この研究報告では「サウナブームを地域の活性化に生かす」の報告の第2弾です。


「地域創生」渋谷の創作サウナ多彩に 体包む蒸気 音にもこだわり 栃木・那須では廃校活用 牛乳タンクで水風呂


[調査研究報告本文(新聞記事紹介文)]

渋谷の創作サウナ多彩に 体包む蒸気 音にもこだわり 栃木・那須では廃校活用 牛乳タンクで水風呂

ここでは日本経済新聞の2023年1月28日35面の記事を紹介します。

[はじめに]

 サウナの集客力を地域の活性化に生かす動きが関東・山梨でも、相次いでいます。都市部に立地する個性的な大型サウナ施設が話題を呼び、郊外ではアウトドア活動と組み合わせたサウナ体験が人気を集めています。新型コロナウィルス禍の中で、集客を下支えする効果も期待されています。(2023年1月28日の日本経済新聞の35面(松永高幸、森岡聖陽、仲村宗則、桜井豪)を参照引用して記述)。


[東京都渋谷区]

 2022年12月に東京・渋谷に開業した「渋谷・サウナス」には3階建てビル、8種類のサウナと2種類の水風呂、広い外気浴スペースがあります。サウナを描いた「マンガ サ道」の著者タナカカツキさんが総合プロデュースし、多彩な仕掛けを施した「創作サウナ」が売りです。熱した石に水を掛けて蒸気を浴びる「ロウリュ(注1)」にこだわりました。熱い蒸気に体が包み込まれるように設計した円形のサウナや、木製ベッドで横になれるサウナ、ロウリュ(注1)の音の反響にこだわったサウナなどがあります。

施設内にはレストランもあり、消化の早い非動物性食品による食事、ビーガンフード(注2)も用意しました。運営会社トヨケー(東京・渋谷)代表の古屋蔵人さんは「サウナが健康的だということをもっと打ち出していきたい」と述べています。

 

[神奈川県横浜市]

 横浜駅前には1968年に開業した老舗サウナ「スカイスパYOKOHAMA」があります。設備のリニューアルを重ねながら日本のサウナ文化を牽引してきました。同社の広報担当者は「最近は若いカップルや東京からの利用者が増えています」と言っています。

 2021年に新設した「サウナシアター」は、男女共用で100人収容できます。壁に水や風が流れる映像を投影し、座席下と天井のスピーカーから出る音がサウナ好きを包みます。タオルなどで熱風を送るパフォーマンス「アウフグース」の日本代表を決める予選会場にもなりました。

 2018年には、コワーキングスペース(注3)も備えた施設「クーワーク」をオーブンしました。コロナの拡大とテレワークの普及の後押しもあって、ビジネスマンの利用が増大しています。


[栃木県那須町]

郊外では自然の中のサウナが都心から人を呼び込んでいます。栃木県那須町では、小学校の廃校を活用した複合施設「那須ユートピア美野沢アートヴィレッジ」が2022年9月にオープンしました。校舎を、美術品を展示するアートギャラリー(注4)や宿泊施設などに改装しました。ホテル並みのサービスを野外で楽しめるグランピング(注5)の2種類のサウナが設置されています。

水風呂には、牛乳を冷やすタンクを活用しました。これは生乳生産量、国内2位の栃木県ならではのことなのです。運営会社社長で、サウナの愛好家の清水博康さんは、「保冷性が高く、製氷機もあるので夏でも冷たい水で、気分を整えることが出来ます。アートの中で本格的なサウナを楽しんでほしいのです」と話しています。


[山梨県北杜市・大月市・市川三郷町]

 山梨県では富士山、南アルプス、八ヶ岳などを水源とする天然水がサウナの魅力を高めています。河原や湖畔に張ったテントサウナで汗を流し、冷たい天然水につかって「心を整える」体験が出来る場所が多く、山梨県は官民共同で「アウトドアサウナの聖地」を目指しています。

 北斗市の大武川沿いにある「ペンション駒城」は、2020年にテントサウナを導入すると、20代の利用者が急増しました。2022年の売り上げ高は、コロナ前の2倍を超えました。大月市の真木川沿いの「金の森山荘」もリピーター客が増え、閑散期の冬の集客にも繋ぎました。

 市川三郷町の湧き水でできた四尾連湖キャンプ場では、1月からアウトドアのサービスが始まりました。サービスを提供する赤尾守敏さんは「冬は、氷が張ることもあり、フィンランドのように、サウナから氷の湖につかる『アバント』を体験できる日もある」と話しています。(2023年1月28日の日本経済新聞の2面(松永高幸、森岡聖陽、仲村宗則、桜井豪)を参照引用して記述)。

 

[まとめ]

この研究報告の執筆で参照引用した2023年1月28日の日本経済新聞35面の記事には、一つの図表が記載されていました。①関東・山梨のサウナ施設(図表1、注6)と題し、関東・山梨8都県の2022年12月末の時点でのサウナ施設の総数と人口10万人当たりのサウナ数を、表で示していました。これを以下に示します。


図表1 関東・山梨のサウナ施設(関東・山梨)


    都県名   2022年12月末の総数    人口10万人あたりの数

    東京都      875              6.2

    神奈川県     493              5.3

    千葉県      384              6.1

埼玉県      295              4.0

    山梨県      242             30.1

栃木県      229             11.9

群馬県      198             10.3

    茨城県      173              6.1


(出所)サウナ情報サイト「サウナイキタイ」の2022年12月15日時点       掲載分 


 ここで私は、日本の次世代を牽引する牽引者として、二人(2地域)の存在を発見しました。東京都と山梨県です。東京都は世界有数の大都市であり、人口が余りに多いため、人口10万人当たりのサウナ数では、トップになるのは無理なのでした。でも、自治体別のサウナの総数では、全国トップに立ちました。

 東京都が、コロナの総数でトップになれたのは、次世代が見えている日本人の若者の心を、強く引きつけているからです。都市部に立地する大型サウナの先進科学の革新性、多彩な仕掛けを施した「創作コロナ」の斬新性などが、未来がみえる若者の心を捉えているのです。

一方、山梨県は、各地の地域振興を代表する選手です。ここではサウナの持つ魅力とアウトドア活動を組み合わせた、新しいサウナの勃興が期待を集めています。山梨県は、関東・山梨8都県の人口10万人あたりのサウナ数の中で、ダントツトップで走っています。この山梨県を中心とする「郊外組」の次世代牽引者たちは、大都市生活に壁を感じている東京などの大都市住民の、社会・経済の復興への活動を、力強く牽引してくれるでしょう。図表1の中の山梨県・栃木県・群馬県は、人口10万人あたりのサウナ数が、高い値を示しており、私は、大いに期待しています。

 一方、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県は、人口10万人当たりのサウナの数では、低い値になっています。すなわち、サウナの進捗度を公平に測るのには、不適切な状況になっています。人口の多い大都市は、サウナの総数で比較した方が良いようです。(図表1を参照)

 日本のポストコロナでの経済・社会の再興にとっては、中小企業のトップ達を、どのように啓蒙し牽引していくかが、最も重要です。この活動を実施するに当たっては、東京組も山梨組も、それぞれ異なる魅力・個性を持っています。これを合体させ、この活動に手を携えて貢献してもらわねばなりません。(2023年1月28日の日本経済新聞の35面(松永高幸、森岡聖陽、仲村宗則、桜井豪)を参照引用して記述)。


(注1)ロウリュは、フィンランドに伝わるサウナ風呂の入浴法の一つ。熱したサウナストーンに水をかけて水蒸気を発生させることにより、体感温度を上げて発汗作用を促進する効果がある。サウナストーンに掛ける水には、アロマオイルなどが加えられる 。

    

(注2)ビーガンフード:動物性食品(肉、乳製品、卵、蜂蜜など)を含まない食事。ビーガンは、近年は、食事、衣料品、化粧品、医薬品(動物由来の物質なしで作られている)までも指すようになっている。


(注3)コワーキングスペース:複数人での打ち合わせに適したスペースや会議室が準備される。インターネットを利用するための、Wi-Fi環境(注4)、複写機、プリンターなどが提供される。コワーキングスペースの語は、本来は、Wi-Fi等を共有しつつ、利用者が、それぞれ自分の作業環境とすることを指す。多くのコワーキングスペースはフリーアドレス制となっており、利用者は空いているブース(机等)を利用して作業を行う。コワーキングスペースは、フリーランスで働く人や起業したばかりの会社が、オフィス代わりに利用するケースが一般的であった。しかし、近年は企業の従業員が利用する場面が増加している。具体的には、在宅勤務やテレワークの際、自宅等に落ち着いて作業できるスペースがないため、自宅近くにあるコワーキングスペースを利用する使い方が増大している。

(注4)アートギャラリー:美術作品を展示したり販売したりする施設。画廊とも呼ばれるが、最近は絵画だけでなく多様なアートを扱うのでギャラリーという言葉が選ばれるようになった。ギャラリー(gallery)はイタリア語のガレリア(galleria)に由来している。ガレリアは「回廊」を意味しており、貴族などの位の高い人が自分の回廊に絵画を置き、市民が見れるようにしたことが、今のギャラリーという言葉に残っている。

(注5)グランピング(Glamping):グラマラス(glamorous)とキャンピング〈camping〉を掛け合わせた造語で、ホテル並みのサービスを野外で愉しむ魅力的なキャンプという意味。

(注6)日本経済新聞2023年1月28日(35面)に掲載された図表1「関東・山梨のサウナ施設」(注)サウナ情報サイト「サウナイキタイ」の2022年12月15日時点掲載分。


[参考資料]

(1)日本経済新聞、2023年1月28日(35面)。

[付記]2023年3月10日。

 
 
 

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