[日本再生]「ごみ処理対策」全国市区町村の2割が「ゴミ処理費」を削減した(その2)2022年12月21日 最重要都市東京都が、この改革でかなり遅延。
- honchikojisitenji
- 2022年12月22日
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続木 碧(つづき あお) 2022年12月(研究報告№026)
「ごみ処理対策」全国市区町村の2割が「ゴミ処理費」を削減した(その2)
[調査研究報告本文(新聞記事紹介文)]
「ごみ処理対策」全国市区町村の2割が「ゴミ処理費」を削減した(その2)最重要都市東京都が、この改革でかなり遅延。
ここでは日本経済新聞の2022年10月15日35面の記事を紹介します。
[はじめに]
首都圏の自治体では、埼玉県鶴ヶ島市町が分別収集徹底や効率的な処理でコスト削減に取り組んでいます。神奈川県座間市は家庭から出る可燃ごみのうち、草木類を分けて収集することで、ごみ処理量のさ苦言につなげました。東京都八王子市や栃木県矢板市などでは、環境に配慮した高効率施設の建設が相次いでいます。(参考資料1、2022年10月15日の日本経済新聞の35面(岩崎貴行)を参照引用して記述)
[埼玉県鶴ヶ島市]
埼玉県鶴ヶ島市の近隣市町は、ごみコスト低減に取り組んでいます。埼玉県の鶴ヶ島市と毛呂山町、鳩山町、越生町の4市町は、埼玉県西部環境保全組合を組織し、共同でこみ処理に取り組んでいます。同組合は、現在の処理施設が稼働する前から、ごみの分別や適正な処理方法などを、中長期的な視点から検討し計画していました。
各市町ごとの、ごみ排出傾向を徹底的に分析し、2026年度までに、1人あたり家庭ごみの排出量で2%、事業者ごみで5%の削減を目標に定めていました。
2023年4月には、190億円を投じた最新鋭ごみ処理施設、埼玉西部クリーンセンター(同鳩山町)が稼働します。ごみ処理能力は1日130トンと現在の高倉クリーンセンター(鶴ヶ島市、同180トン)を下回りますが、同組合の担当者は、「リサイクル比率を高めてごみ処理経費を削減し、組合の自主財源を多く確保できるようにしたい」と話しています。
[神奈川県座間市]
神奈川県内の市町村で、ごみ処理費用の削減率が2番目に大きかった座間市は、1人あたりのごみ排出量が、最も少なかったのです。住民の協力により、可燃物や不燃物などの分別が徹底し、2021年度の家庭系ごみの排出量は1万9300トンと前年度比、7.8%減りました。座間市によりますと、2021年度から、可燃ごみにまとめられがちな草木類を、別に回収し、堆肥やチップとして資源化できたことが、ごみ処理コストの大きな削減につながったのです。
ここでは、連携協定を結ぶ小田急電鉄の廃棄物管理サービス「WOOMS(ウームス)」を活用しました。草木類の収集は可燃ごみと同じ日です。でも、「収集車が草木類のある集積所をウームスのシステムにデータ入力し、草木類専用の後続車が最短ルートで収集しているのです。
[栃木県矢板市]
栃木県矢板市では、近隣市町と広域行政組織が運営していた設備が、老朽化していたため、環境性能を高めた広域処理施設、エコパークしおやを矢板市内に建設しました。これを2019年に本格稼働させています。
同施設では、ごみ焼却時の熱を利用して発電し、その電力を利用して施設内で、フィットネスクラブ(注1)や入浴施設を運営しています。焼却後の灰は、埋め立てなどに再利用しています。粗大ごみとして持ち込まれたが、まだ使用できる椅子や机、棚といった家具を、無償で譲渡する抽選会も開催し、ごみの削減に努めています。(参考資料1、2022年10月15日の日本経済新聞の35面(岩崎貴行)を参照引用して記述)
[まとめ]
この研究報告の執筆で参照引用した2022年10月15日の日本経済新聞35面の記事には、一つの図表が掲載されていました。①関東・山梨8都県のごみ事業経費(一人当たり)(図表1、注3)です。ここには、2020年度の関東・山梨8都県のごみ事業経費額とその2011年比の増減率が、自治体別(都県別)に記していました。これを以下に記します。
図表1 関東・山梨8県のごみ事業経費(一人あたり)
都県 2020年度ごみ事業経費 2011年度比の増減率
群馬県 1万2478円 7.8%
神奈川県 1万3312 ▲7.3
埼玉県 1万3313 0.1
山梨県 1万4210 1.3
千葉県 1万7081 28.8
栃木県 1万0234 62.8
東京都 2万0234 7.0
茨城県 2万1528 30.9
(注)▲はマイナス。環境省調査
この表を見渡して見れば、一目瞭然ですが、2011年度比で「ごみ事業経費」が減少したのは神奈川県だけです。その他は全て増加しています。また、この表は、住民一人当たりの「ごみ事業経費額」が少ない順に並べてありますから、上に書いてある処ほど、経費削減活動の成績が良い処と言えるのです。群馬県、神奈川県、埼玉県は成績が良いのですが、東京都は随分下にいます。すなわち、改革は全く道半ばなのです。
東京都は、前回報告した「①1人あたりのごみ処理経費(2020年度)」のランキングで、一番下から2番目の段階「2万円以上3万円未満」」の最低に近いクラスに属しているのです。
東京には、地方から若い人が、年々、移住してきます。この人達は移住後に住んだ東京の地域隣人とは、お付き合いが薄く、「ごみの整理などの共同収集」は、移住直後は特に苦手なのです。
毎年参入してくる「ごみ処理に無関心で苦手な人達」を迎え入れて、ごみ処理レベルを維持し、改善していくことは大変なことです。でも、これを克服しなければ、世界の未来社会を牽引する日本国を、誘導して行かねばならない立場にある、世界都市東京としては、その責務を果たすことは、とても出来ないのです。
日本国中、国も日本人みんなも、一致協力して、これを応援して、なんとか、これを成し遂げて行かねばなりません。みなさんお願いいたします。みなさん頑張ってください。私も一緒に頑張ります。
(注1)フィットネスクラブ: 室内プール、トレーニングジム、スタジオなど室内の運動施設を有し、インストラクター、トレーナーなどの指導員を配置し、会員にスポーツ、体力向上などのトレーニング方法などを指導する事業所。
(注2)ビオトープ(独: Biotop):生物群集の生息空間を示す言葉である。日本語では生物空間(せいぶつくうかん)、生物生息空間(せいぶつせいそくくうかん)とされる。語源はギリシア語からの造語(bio(命) + topos(場所)である。転じて、生物が住みやすいように環境を改変することを指すこともある。
(注3)日本経済新聞2022年10月15日(35面)に掲載れた図表「①関東・8都県のごみ事業経費(一人あたり)。」注記、▲はマイナス、環境省調査。
[参考資料]
(1) 日本経済新聞、2022年10月15日(2面)。
[付記]2022年12月21日。
[追記]でも、現状の東京も東京に住む人も、実はみんな頑張っています。この報告では、その頑張っている人達の代表として東京都八王子市を取り上げています。以下に紹介しておきます。
[東京都八王子市]
東京都では、八王子市内の可燃ごみを焼却処分する館クリーンセンター(同市)が2022年10月1日、本格稼働しました。旧清掃工場跡地に、169憶円を投じて整備しました。屋外には、ビオトープ(注2)や散策路を整備し、ごみの焼却時に発生する熱を使ってタービンを回転させ、発電する環境配慮型施設にしました。
焼却炉を2基備え、1日あたりの処理能力は計160トン、焼却熱で発電した電力は、施設や八王子市役所などで利用しています。(参考資料1、2022年10月15日の日本経済新聞の35面(岩崎貴行)を参照引用して記述)
東京23区でも、このような改善活動が、今、次々と行われているでしょう。ポストコロナ下で、この活動は、一気に芽吹いて来ると思われます。私はこれに、この上なき大きな期待を寄せています。


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