「日本再生]「地域創生」子育て支援企業 徳島厚み 2023年6月12日 男性育休13%など 全国548社認定 上位県 女性管理者多く
- honchikojisitenji
- 2023年6月12日
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続木 碧(つづき あお) 2023年6月(研究報告№070)
「巻頭の一言」
わが国の男性の「育休取得率」が急拡大しています。これに「プラチナクルミン認定企業」などと、ユニークな呼び名を付け、この認定に自ら苦労した「企業」「個人」が、これを「自身の周囲」「村・町」「都道府県」で、自慢そうに自己PRして、自らが、その自信で育休取得率を上げ、各地の育休水準を、驚くべきペースで上げています。
このような手段で、日本人の育休取得は、驚異的な速度で拡大し始めました。これは人口減少の拡大の停止に、目途がたたなかった「わが国」にとって、きわめて明るい灯火(ともしび)です。
「地域創生」子育て支援企業 徳島厚み 男性育休13%など 全国548社認定 上位県 女性管理者多く
[調査研究報告本文(新聞記事紹介文)]
「地域創生」子育て支援企業 徳島厚み 男性育休13%など 全国548社認定 上位県 女性管理者多く
ここでは日本経済新聞の2023年5月27日2面の記事を紹介します。
[はじめに]
授業員への子育て支援を重視する企業が地方で拡大しています。男性の育休取得、率が13%以上などの基準を満たした国の認定企業数が各地の企業に占める割合は、都道府県トップの徳島県で8%に達しました。認定企業の割合が上位の地域は、女性の管理職の割合が高い傾向にあります。子育て支援は人材の採用や定着とともに女性の活躍も左右します。
2023年5月27日の日本経済新聞の2面(桜井佑介、菅野宏哉)を参照引用して記述します。
[くるみん・プラチナくるみん・プラチナくるみんプラス]
子育てと仕事との両立を支援する制度が手厚い企業を、厚生労働省は、「くるみん(注1)」の愛称で認定しています。男性社員の育休取得率13%以上など基準が厳しい「プラチナくるみん(注2)」は2022年度末で全国に548社ありました。制度が始まった2015年度末の約7倍になり、従業員50人以上で資本金・出資金3000万円以上の企業のうち1.7%を占めています。
[徳島県]
徳島県はプラチナ認定企業(注2)の割合が7.8%と、全国平均の5倍近いのです。静岡県が3.4%、奈良県が3.2%で続きます。認定企業は、自分が頑張っている推進企業であることを、求人や広告マークを掲げてPRできるのです。また、その結果、助成金の需給や公共調達への加点評価などの優遇をしてもらえます。
徳島市の徳島大正銀行は2017年にプラチナくるみん(注2)、2022年に不妊治療への配慮を上乗せした新設のプラチナくるみんプラス(注3)に県内で、初認定されました。全職員1300人あまりに子育て関連制度の理解を示す「eラーニング(注4)」を毎年実施するほか、頭取名で頻繁に利用を呼びかけています。この結果、対象男性の育休取得率は90%を上回りました。
徳島県は少子化対策の一環で、くるみんを早くから推奨してきました。女性の活躍が進む土地柄も企業を後押ししています。男性の育休取得なとで、基準がプラチナよりも緩い「くるみん」では、認定企業の割合は、57.4%と、都道府県で唯一の半数を超えました。官民の女性管理職の比率は2020年時点で19.6%と全国首位です。県は職場環境をさらに整えようと2023年4月に、男性の育休を促す事例集を公表しました。
徳島県を含む認定企業割合が上位の5県は、女性管理職比率が平均16.4%です。下位の5道県(14.8%)よりも高いのです。
徳島県は、人口減が、いよいよ深刻なってきているわが国の現状の中で、男性の育休に対する認識が何よりも重要と考え、一人一人の県民が自分の周囲に、互いに頑張っている成果を強力にPRし合って、「全員頑張る県が生れるように」を一致団結して進めているのです。これが女性の意識向上にも、凄く貢献しました。
[静岡県]
静岡県は、子育て支援が充実する県中小企業を「こうのとりカンパニー」として2011年から独自に認定してきました。育休の取りやすさの条件を緩和して、取得を推進し185社まで取得を進めていました。静岡県のこども未来課は、さまざまな工夫を重ねて、子育てと仕事の両立を、当初は積極性が乏しかった中小企業に、積極的に働きかけてきたのです。
三島信用金庫(静岡県三島市)は2024年2月、全国の信用金庫で初めての「プラチナくるみんプラス(注3)」の認定を取得しました。同社の担当者は、「この会社は,いろいろな働き方を認める会社」だと、従業員採用時の学生に、凄くアピールしやすくなったと強調しています。
静岡県は、プチチナ認定事業で全国2位の県です。それにふさわしい頑張りが目立ちます。
[奈良県]
奈良県は、県内企業を対象に「パパ産休プロジェクト」を打ち出しました。男性の育児取得を促す動画を作り、職場研修などで使えるようにしました。これにより、男性の育休取得は、見事に格段と拡大しました。また、育児給付金に上乗せして従業員に賃金などを支払う事業者への補助制度も、周到に準備しました。これによって、奈良県内の企業では、育児休業給付金に上乗せする補助金などを支給している企業が格段と多くなっているのです。
奈良県もプラチナ認定企業第3位にふさわしい活動成果を、県内の仲間全員にPRし合って、凄い相互啓発で、これによる県をあげての成長集団への道を歩み始めています。
[この項の終りに]
コンサルタント会社のワーク・ライフバランス(東京・港)の調査によりますと、男性の育休取得率は、ここ3年で大幅に上昇したのです。でも、育休の平均取得日数は横這いで伸びていないのです。ですから、男性の育児参加に関しては、実効性を高めた対策が、大いに必要なのです。
徳島大正銀行では、育児対応金などの諸手当を拡充させて、金銭面の支援を拡大し、さらに男性の育休取得を、現状の1週間から、3年後には2週間に延ばす計画を自らPRし合って、その実現に向けて、鋭意、具体的な活動を展開しています。
岸田文雄首相は、2023年3月に、それまで30%だった育休取得率を、2025年に50%、2030年には85%にする目標を力強く示しました。また、厚生労働省は、「プラチナくるみん(注2)」の男性育休取得率の基準を2022年度から30%以上に引き上げました。国や自治体のこのような力強い支援・推進が続く中で、これに背を押されている企業側も、人材確保に踏み込んだ子育ての強力な実施が迫られています。
(2023年5月27日、日本経済新聞の2面、桜井佑介、管野宏哉を参照して記述)。
[まとめ]
この研究報告の執筆で参照引用した2023年4月27日の日本経済新聞2面の記事には、三つの図表が記載されていました。「①男性育休取得率13%以上などプラチナくるみん認定企業割合(2023年3月)図表1、注5。「②子育てサポート企業の認定制度、図表2,注6。「➂認定制度の割合は増加、図表3、注7。
[図表1]
図表1(注5)では、新聞紙上に日本列島の地図が示されており、2023年3月時点の男性育休取得率「プラチナくるみん認定企業の割合」をオレンジ色の濃淡で塗り分けて示していました。
ここでプラチナくるみん認定企業の割合が最も大きかった地域は、認定企業の割合が4%以上の地域で、これを実現していたのは、全国で徳島県1県だけでした。プラチナくるみん認定企業の割合が、次に大きかった地域は、認定割合が3%以上4%未満の地域で、これもこの神奈川県の1県のみでした。
3番目多かった地域は、2%以上3%未満の処で、これは多数ありました。青森県、山形県、茨城県、東京都、長野県、滋賀県、京都府、和歌山県、山口県、香川県、高知県、佐賀県、大分県、鹿児島県の1都1府12県でした。現在、この地域の層が厚く全国に広く展開しているのが、わが国の大きな期待です。
結局、全国でプラチナくるみん認定企業の割合が大きかった地域はとても多く、1都1府12県の14都府県でした。この集団は自ら頑張り、周囲の仲間にこれをPRし、地域全体を頑張る集団に牽引しています。この頑張る県民集団は、今、全国に急拡大しています。
(2023年5月13日の日本経済新聞の2面(桜井佑介、管野宏哉)を参照引用して記述)。
[図表2]
図表2(注6)は、「子育てサポート企業の認定制度(基準のうち男性社員の育児休業取得率)と題した表でした。ここには、3段階の「くるみん」が列記されていました。以下に示します。
(1)「プラチナくるみん」(548社)13%以上。新基準は30%以上
(2)「くるみん」(4124社)7%以上か育児休業1人以上。新基準は10%以上
(3)「トライくるみん」7%以上。
(注)カッコ内は認定企業数。新基準は2022年4月から、経過処置として2024年3月末までは従来基準で申請可能。認定企業数は2023年3月末時点。
[図表3]
図表3(注7)は「認定企業の割合は増加」と題した表でした。左側縦欄に認定企業の割合の0~14%が取ってあり、下欄には2011年3月~2023年3月が取ってあり、その各時点ごとに棒グラフが書いてありました。棒グラフは「くるみん(注1)」と「プラチナくるみん(注2)」について記してありました。「くるみん(注1)」は、2011年3月の3%強から、2023年3月の13%強へと、各時点とも、きわめて順調に増加していました。一方、「プラチナくるみん(注2)」も、2017年3月から始まり2023年3月に向けて順調に増えています。でも増加率(%)は、まだ小さく、0.1~3%の段階です。今後の急速な拡大が期待されます。
(2023年4月22日の日本経済新聞の2面(桜井佑介、管野宏哉)を参照引用して記述)。
(注1)くるみん認定とは、「子育てサポート企業」を厚生労働大臣が認定する制度です。 次世代育成支援対策推進法に基づき行動計画を策定し、その行動計画に定めた目標を達成するなどの一定の要件を満たした場合、申請により認定を受けることができます。「くるみん」という愛称には、赤ちゃんが大事に包まれる「おくるみ」と「職場ぐるみ、会社ぐるみ」で仕事と子育ての両立支援に取り組もうという意味が込められています。
(注2)プラチナくるみんとは:くるみん認定企業のうち、より高い水準の取組を行った企業が、一定の 要件を満たした場合、必要書類を添えて申請を行うことにより、優良な 「子育てサポート」企業として厚生労働大臣の特例認定(プラチナくるみん認定)を受けることができます。特例認定を受けると、くるみん認定と同じように、プラチナくるみんマークを、商品広告、求人広告などにつけることができ、子育てサポー ト企業であることのPR効果がさらに高まります。
(注3)プラチナくるみんブラスは、2022年4月からスタートした認定制度です。認定を受けると、くるみん認定、プラチナくるみん認定、トライくるみん認定にプラス マークを追加して、商品広告、求人広告などに付けることができ、子育てサポート企業であることにプラスして、不妊治療と仕事との両立をサポートする企業であることもPRできます。
(注4)eラーニングとはelectronic learningの略で、コンピューターとインターネットを活用した学習形態のことです。
(注5)日本経済新聞2023年5月27日2面に掲載された図表1「男性育休取得率13%以上などプラチナくるみんの認定企業割合(2023年3月末)」(出所)厚生労働省、経済産業省。
(注6)日本経済新聞2023年5月27日2面に掲載された図表2「子育てサポート企業の認定制度(基準のうち男性社員の育児休業取得率)」(注)カッコ内は認定企業数。新基準は2022年4月から。経過処置として2024年3月末までは従来基準で申請可。認定企業数は2023年3月末時点。
(注7)日本経済新聞2023年5月27日2面に掲載された図表3「認定企業の割合は増加」
[参考資料]
(1)日本経済新聞、2023年5月27日(2面)。
[付記]2023年6月12日


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