続木様、
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続木 碧(つづき あお) 2023年6月(研究報告№069)
「巻頭の一言」
従業員の健康を重視する中小企業が急拡大しています。経済産業省などによる「健康経営優良法人」の認定を受けた中小企業数は、2023年には、2020年と比べて、2.9倍に拡大しました。
2023年の中小企業1万社あたりの認定数は、岡山県が最多で、愛知県、山形県がこれに続きました。一方、この認定数の増加倍率が最も大きかったのは、山梨県、沖縄県、茨城県、徳島県、山口県の5県で、その増加率は5倍以上でした。次に増加率の高かった地域は、岩手県から鹿児島県にいたるまで、広く全国に分布している12県で、3.5倍以上5倍未満の増加率の地域でした。全国に広く分布している、これらの先進地域がこれからの日本を牽引してくれます。
「地域創生」健康経営 岡山が先行 全国認定中小法人 3年で2.9倍 人材定着 採用で強みに
[調査研究報告本文(新聞記事紹介文)]
「地域創生」健康経営 岡山が先行 全国認定中小法人 3年で2.9倍 人材定着 採用で強みに
ここでは日本経済新聞の2023年5月20日2面の記事を紹介します。
[はじめに]
禁煙や運動の奨励など、従業員の健康を重視する中小企業が増えています。経済産業省などによる「健康経営優良法人(注1)」の認定を受けた中小法人数は、2023年に1万4000と、2020年に比べて2.9倍に増えました。中小企業数に対する認定数が最も多い岡山県では、中小が連携して、健康経営の実効性向上を目指す組織も誕生しています。
2023年5月20日の日本経済新聞の2面(亀井慶一、深野尚孝、奈良部光則)を参照引用して記述します。
[健康経営優良法人の定義] [中小企業10社当たりの認定数]
経済産業省などは、2014年度に、企業対象の健康経営優良銘柄認定も開始しました。2016年度には「健康経営優良法人(注1)」として中小規模法人の認定も始めました。長時間労働や食生活の改善などに取り組む企業を、毎年認定しています。認定法人は、自治体の入札や金融機関からの融資などで優遇処置を受けられる場合があります。求人時に学生などへのアピールも増やしています。
2023年の中小企業1万社あたりの認定数は、岡山県が最多で、愛知県、山形県がこれに続きました。一方、実質的に新型コロナ禍前だった、2023年の伸びは、山梨県が最も大きく、沖縄県、茨城県の順でした。
[岡山県]
岡山県は、平均寿命は、全国上位ですが、健康寿命は中程度です。この差を縮めるために、県は健康に配慮した経営の重要性を訴えてきました。そして、全国健康保険協会の地元支部が中心となって、認定取得を支援してきました。岡山市も市民と一体となって健康づくりを実践する企業の登録制度を展開しています。これが経済産業省などの認定制度が生れる前から県内で、健康経営への関心を高めてきたのです。
今年2月には、認定企業を中心に30社以上が参加する、岡山健康経営を考える会も発足しました。同会では「先進的な取り組みなどを共有して効果を高めたい」と言っています。また、専門家による講演会のほか、会報での事例紹介、先進企業の訪問なども進めています。
参加する医療用品メーカーのダイヤ工業(岡山市)は、毎月、社員の体力測定を実施しています。朝の10分間、100人が4~5人のグルーブに分かれて、オフィス内で片足立ちなどの運動を実施しています。筋力や柔軟性などを点数化して、有効なトレーニングメニューを盛り込んだ結果のデータを渡しています。
これにより、社員の運動機能に関する年齢は若返り、採用面でも効果が出ています。今春入社の女性社員は、「両親も私の健康への関心が高く、就職先を選ぶ参考になった」と話しています。
[山梨県]
伸びがトップの山梨県は、2020年に独自の認定制度を設けました。全国的に見て優良法人の認定数が低迷していたこともあり、中小企業などの関心を高める狙いもあったのです。この独自制度では、カロリーや食塩量に配慮した食事を、社員食堂で提供することが認定項目に盛り込まれており、2022年末までに、この独自制度を188社が導入しています。
建設業国際建設(甲府市)は、国と県の双方から認定を取得しました。50人の社員に、睡眠時無呼吸症候群を検知するスマホアプリを提供しました。ここで異常を検知した場合は、医師の診断を受けるようにしました。有給取得やノー残業デーも拡大する方針です。離職率は確実に低下傾向です。
[沖縄県]
沖縄県の沖縄ツーリスト(那覇市)は、2020年に全社員の喫煙率ゼロを達成しました。2021年には社員に歩くことを勧めるイベントを始めました。担当者は「旅行業界はコロナ禍で厳しい状態が続いたが、健康診断で異常がみつかる社員が減るなど、社内の雰囲気は良い」と話しています。
[この項の終りに]
慶応大学の岩本隆特任教授は、「労働環境が悪い企業への就職を避けるために、健康経営認定の有無を重視する学生は増えている」と指摘しています。人手不足が深刻になる中、「健康を意識した経営は、採用活動だけでなく、業績や株価にも影響を及ぼす可能性があり、今後も重視する企業は増えていく」と見ています。
2023年5月20日の日本経済新聞の2面(亀井慶一、深野尚孝、奈良部光則)を参照引用して記述。
[まとめ]
この研究報告の執筆で参照引用した2023年5月20日の日本経済新聞2面の記事には、4つの図表が記載されていました。「①健康経営優良法人の認定数は、山梨県や沖縄県で伸びている」図表1、注2。「②中小規模法人の認定数は1万4000を超えた」図表2,注3。「➂中小規模法人の認定数の伸び」図表3、注6。④中小企業1万社あたりの認定数」図表4、注4。
[図表1]
図表1(注2)では、新聞紙上に日本列島の地図が示されており、ここで「健康経営優良法人の認定数の伸び率(倍率)」を、高い順に緑色の濃淡で塗り分けしていました。
ここで優良法人の認定数の伸び率が最も大きかった地域は、山梨県、沖縄県、茨城県、徳島県、山口県の5県で、その増加率は5倍以上でした。
この次に、認定数の増加倍率が高かった地域は、岩手県、宮城県、千葉県、岐阜県、福井県、和歌山県、鳥取県、岡山県、広島県、福岡県、大分県、鹿児島県の12県で、その増加倍率は3.5倍以上5倍未満てした。
結局、全国で優良法人の認定数の増加倍率が高かった処は、17県でした。
[図表2]
図表2(注3)は、「中小規模法人の認定数は全国で1万4000を超えた」と題した棒グラフでした。左側縦欄に、健康経営優良法人の認定数、0~1.4万人が取ってあり、下欄に2017年から2023年がとってあります。これもとに、各年の中小規模法人の認定数の棒グラフが記されていました。この棒グラフをみますと、2017年の高度外国人数は、2017年の0.1万人、2018年の0.3万人から始まり、2023年の1.4万人に向けて、極めて順調に拡大していました。
(出所)経済産業省。
[図表3]
図表3(注4)は「中小規模法人の認定数の伸び」と題する表でした。ここでは中小規模法人の認定数の伸び(倍)が、表で示してありました。これを以下に示します。
図表3 中小規模法人の認定数の伸び
1 山梨県 10.00倍
2 沖縄県 5.77
3 茨城県 5.38
4 徳島県 5.13
5 山口県 5.04
(注)中小企業数は2016年時点。中小企業庁まとめ。
[図表4]
図表4(注5)は「中小企業1万社当たり認定数」と題した表でした。ここでは「中小企業1万社当たりの認定数が、表で示してありました。これを以下に示します。
図表4 中小企業1万社当たり認定数
1 岡山県 89.0
2 愛知県 79.1
3 山形県 71.5
4 大阪府 67.6
5 長野県 66.1
(注)中小企業数は2016年時点。中小企業庁まとめ。
(2023年5月20日の日本経済新聞の2面、亀井慶一、深野尚孝、奈良部光則を参照引用して記述)。
(注1)健康経営優良法人制度とは、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから評価を受けることができる環境を整備することを目的に、2016年度に経済産業省が創設した制度です。 健康・医療新産業協議会健康投資ワーキンググループ(日本健康会議健康経営500社ワーキンググループ及び中小1万社健康宣言ワーキンググループの合同開催)において定められた評価基準に基づき、企業等からの申請内容を審査した上で、日本健康会議が「健康経営優良法人」を認定しています。
(注2)日本経済新聞2023年5月20日2面に掲載された図表1「健康経営優良法人の認定数の伸び率(倍率)」の高い順に色を塗り分けています。(注)2023年の中小規模法人認定数2020年比。
(注3)日本経済新聞2023年5月20日2面に掲載された図表2「2017年から2023年の各年の、中小規模法人認定数」が記されています。(出所)経済産業省。
(注4)日本経済新聞2023年5月20日2面に掲載された図表3「中小規模法人の認定数の伸び(倍)」が示してあります。(注)中小企業数は2016年時点。中小企業庁まとめ。
(注5)日本経済新聞2023年5月20日2面に掲載された図表4、「中小企業1万社当たりの認定数」が記してあります。(注)中小企業数は2016年時点。中小企業庁まとめ。
[参考資料]
(1)日本経済新聞、2023年5月20日(2面)。
[付記]2023年6月5日